安倍総裁「キラキラネーム、いじめられる」 北海道新聞「いじめ、いさめるのが教育」

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   アニメのキャラクターや外国語の発音などに漢字を当てて、生まれてきた子どもの名前にする「キラキラネーム」。最近では、漢字表記を見ただけではすぐに読めない名前も増えてきた。

   この風潮に、自民党の安倍晋三総裁が講演で「キラキラネームをつけられた子の多くはいじめられている」と苦言を呈した。すると今度は北海道新聞がこの発言に「『異質』を理由にいじめるような者をいさめるのが教育」と、安倍総裁にかみついた。

「永久恋愛」と書いて「えくれあ」、「一二三」は「どれみ」

わが子にどんな名前をつけるか
わが子にどんな名前をつけるか

   ベネッセが毎年ウェブサイト「たまひよweb」上で発表する、赤ちゃんの名前ランキング。2011年に生まれた赤ちゃんで1位となった名前は、男の子が「大翔(ひろと)」、女の子が「結衣(ゆい)」だった。「大翔」は2006~09まで連続1位だったという。トップ30を見ると、男の子では「蒼空(そら)」「陽向(ひなた)」「颯(はやて)」、女の子も「和奏(わかな)」「花音(かのん)」と、「いまどき」な名前が並ぶ。

   だが最近は、表記からは読み方が浮かびにくい名前も多い。インターネット上に開設されている「赤ちゃん命名辞典」というサイトには、キラキラネームが数多く並んでいる。中には芸能人が自分の子に付けた名も紹介している。トップの「希空(のあ)」は、タレントの杉浦太陽さんと辻希美さん夫妻の娘の名前だ。ほかにも「永久恋愛(えくれあ)」「宝冠(てぃあら)」「一二三(どれみ)」「苺(べりぃ)」と、一見しただけではすぐに言い当てられなさそうだ。

   安倍総裁がキラキラネームを取り上げたのは、2012年11月15日に東京都内で開かれた講演会の席だ。11月16日付の読売新聞朝刊によると、次期衆院選で自民党が政権を奪回した場合は、子どもを持つ親の教育に取り組む考えを強調したという。そこで、「光宙」と書いて「ピカチュウ」と読ませる例を挙げて、キラキラネームをつけられたこの多くがいじめられていると批判したのだ。続けて安倍総裁は「ペットではないのだから、そういう親も指導しなければいけない」と主張したという。

   これに異を唱えたのが北海道新聞だ。11月20日付のコラム「卓上四季」で安倍総裁の「いじめられている」発言に、「まるで『いじめられるような名前は付けるな』と言わんばかり。違うだろう。『いじめる側』が悪いに決まっている」と反発、安倍総裁が考える「教育改革」を皮肉ってみせた。

80年間使い続けられる名前にしたかった

   「いじめ」に関する議論は別にして、あまりにも度が過ぎたキラキラネームはネット掲示板でもたびたび話題となる。「ふりがななしじゃ絶対読めない」「親が普通でよかった」「かわいそう」といった具合だ。

   2人の子を持つ40代男性にキラキラネームについて聞くと「それだけはやめよう、と意識した」と明かす。この男性の場合は姓名判断に加えて、日本人としてのアイデンティティーを感じられる、古風な名前を意識したという。加えて、男の子には自分の名前にちなんだとも語った。「名前は親のものではなくて子どものもの。人生80年なら80年間使い続けられるものにしたかった」。

   30代で3児の母となった日本人女性は、夫が米国人で、子どもたちにも米国名を付けて漢字を当てた。今風の名前に映るが、これには「今は日本に住んでいるが、将来米国に引っ越す可能性もある」という事情がある。姓が米国人のものなので、名前が米国風で違和感はない。漢字表記は「読みやすく、間違われにくいように」工夫したという。

   この女性自身、名前が外国人風だ。父親が「将来国際化したときに通じやすい名前を」と考えてくれたそうだ。最近の「キラキラネームブーム」については「明らかに奇妙な名前はちょっと……。変わっていればいい、というものではないと思います」と苦笑した。

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