以前放送されていたテレビ番組「マネーの虎」(日本テレビ系)でおなじみ、川原ひろし社長が手がけるラーメン店「なんでんかんでん」の本店(東京・世田谷区)が2012年11月5日、25年の歴史に「幕を閉じる」。同社サイトで「緊急告知」として閉店情報を大きく載せている。
東京の博多ラーメンブームの火付け役とも評される超有名店の突然の発表に、お笑い芸人の有吉弘行さんもツイッターで反応するなど、ファンの間には衝撃が走っているようだ。
ブームが去ると…
「なんでんかんでん」が誕生したのは1987年。東京都世田谷区の「環七どおり」(環状7号線沿い)に本店を構えた。ごえもん釜で3日間煮込んで作る濃厚な豚骨スープが特徴で、店内には豚骨の独特の香りが漂う。ラーメンは「ふつう」から「粉おとし」まで5段階の硬さがあり、好みでごまや紅しょうが、辛子高菜などのトッピングを加えることも可能だ。
当時、本格的な博多ラーメンは珍しかった東京では一躍人気店となり、連日長い行列をなしていた。その後も勢いにのった同店は次々と支店(フランチャイズ)を展開。店に立つことの多かった川原社長もメディア露出が増え、名物社長として知られるようになった。しかし、一大ブームが過ぎると徐々に客足も細くなり、現在では支店のほとんどが閉店している。
そこに突然舞い込んだ本店閉店の知らせ。インターネット上でも「まじですか?!あの、『なんでんかんでん』が・・・・」「東京で初めて食べたラーメンがあれで、東京って怖い場所だと思ったのが懐かしい」という声もきこえており、お笑い芸人の有吉弘行さんも「『なんでんかんでん』の閉店情報に一抹の思い。。。」とツイッターでつぶやくなど、かつての栄光を知る人たちにはそれぞれ思うところがあるようだ。
2013年2月には都内に本店再オープンも
しかし今回の閉店は、「なんでんかんでん」復活劇の始まりとの見方もある。川原社長は東日本大震災当日に仙台で被災した経験から、「助けられたこの命 なにかしなくては この味を残したい」との思いで、フランチャイズの募集をスタート。ことし3月に海老名店が誕生した。
川原社長のブログによると、フランチャイズ展開の目標は年間100店舗。12月6日には山口県内に新店オープンも控えており、今回閉店してしまう本店も2013年2月を目途に、都内に新しくオープンするとしている。現在の本店を閉める理由については、触れられていない。数か月のお別れとなる形だが、「これからを楽しみにしています」「川原さんの先の展開が楽しみー!」「福岡でもぜひご検討お願いいたします」とインターネット上では今後に期待する声もあがっている。