「忌々しいアメリカ人全員を殺してください」 PSYの過激反米ソングを巡り論議

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   韓流スターでラッパーのPSY(サイ、35歳)がアメリカで大ブレイクしているが、米CNN系列のニュースサイトに、「PSYは過激な反米主義者だ」という記事が掲載され論議を呼んでいる。過去にリリースした楽曲に、米国と米軍を非難し、「殺害予告」とも取れる歌詞があったというのだ。

   PSYが韓国語で歌う「江南スタイル」は、2012年10月31日付の米ビルボード音楽メインチャートで6週連続2位を記録、「ユーチューブ」でこの楽曲は6億閲覧を超え、今やアメリカのメディアに引っ張りだこだ。

PSYがアメリカで活躍していることが信じられない

   問題の記事は、米CNNの市民記者サイト「CNN iReport」に12年10月6日付で掲載された。記事を書いたのはausjeon氏で、自分は5年前からPSYの音楽活動を観察してきたが、PSYは韓国ではアメリカを侮辱しているのに、アメリカに来ると親米のポーズを取る「日和見」な人間だと指摘。CNNのリポーター達は既に知っているはずだが、知らない市民のために自分はこの事実を報じなければならない、として、韓国語の歌詞と訳した英語の歌詞を並べた。

   それはイラク戦争での米兵の行為を批判した、こんな歌詞だった。

「イラクの捕虜を拷問していた、くそいまいましいヤンキーを殺してください。拷問せよと命令した、くそいまいましいヤンキーを殺してください。奴らの母、父、妻、息子を殺してください。痛く、そしてゆっくり、彼ら全員を殺してください」

   そしてausjeon氏は、こんなPSYがアメリカのポップカルチャーの中で活躍していることが信じられない、と結んでいる。

   この楽曲は、04年にPSYが韓国人歌手シン・ヘチョルと歌った「Dear America」なのだそうだ。

   この記事は12年11月1日までに2万5000回ほど閲覧されていて、コメント欄にはPSYに対する批判もあるが、擁護する書き込みも多い。

女子中学生2人が米軍の装甲車にひき殺された事件に対する怒り

   この歌は、02年に韓国で女子中学生2人が米軍の装甲車にひき殺された事件に対する怒りだからだという。米軍はこの事件は不可抗力で起こったものだとして、特に過失はなかったと発表したため、韓国で反米の風が吹き荒れることになった。コメント欄には、

「あの事件は悲劇であり、私たちこそPSYのパフォーマンスに謝罪するべきなのです」
「この曲は政治的、哲学的であり音楽を通して自分を表現しています。米軍についての彼の意見は分離されるべきである」

などが書かれている。もっとも、

「理由が何であれ、アメリカ軍とその家族を侮辱したという事実は不変です。彼は無実のアメリカ市民をも侮辱しているわけです」

という意見もある。

   PSYは「韓国最後の大物」などという触れ込みで12年9月に日本で本格デビューする予定だったが、竹島を巡る領土問題や、欧米で人気が出たことなどで延期になった。日本でも「江南スタイル」の知名度はあるが、メタボな中年キャラの風貌が、韓流スターのイメージと違っていることもあり、評判は今一つだ。

   今回の「CNN iReport 」の記事に関して日本のネットでは、

「韓流スターは、日本でも、アメリカでも同じことをやってるんだな」

などといった感想が出ている。

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