男児に性的な興味を持つ「ショタコン」による犯罪が、このところ目立ってきている。その多くは男性で、ネットをうまく駆使して男児に近づいたり、ポルノ画像を売買したりしているようだ。
ショタコンとは、「正太郎コンプレックス」の略だ。人気アニメ「鉄人28号」主人公の金田正太郎が、半ズボンが似合う美少年で、男児愛好者にもてはやされたことから名付けられたとされる。
ネットで取り引き、いもづる式に摘発
宮城県内で2012年1~9月に児童買春・ポルノ禁止法違反で検挙された22人のうち、5人は男児のポルノ画像を提供したケースだった。このことは、河北新報が10月30日に報じた。
例えば、8月に逮捕され、公判中となっている愛知県内の元保育士の男(29)は、ネット上で知り合った男性に、入手した男児の全裸画像など100枚以上をメール送信していた。自宅からは、わいせつな画像を含むDVDが2000枚ほども見つかっている。県警が5月に摘発した別の児童ポルノ事件から、いもづる式に発覚した。
この元保育士の男は、画像入手だけでは満足せず、勤務先の保育園で男児(5)の股間を撮影し、いたずらもしたとして9月に再逮捕されている。
宮城県警少年課の次席は、取材に対し、こう明かす。
「被疑者らは、オークションサイトなどで知り合い、『男児ものがあったらほしい』などとメールでやり取りしていました。画像は、1枚1000~2000円などとして売買しています。そのメールを解析して、いもづる式に犯行が分かったわけです」
ただ、男児ポルノ画像をだれがどこで製造したかは、ネット上捜査の限界もあって、まだ突き止められていないという。
ショタコンの増加を反映してか、男児への声かけ事例報告も増えている。
男児の誘い方も巧妙になっている
河北新報によると、宮城県内で2012年1~9月、13歳未満の子どもへの声かけ96件のうち、男児のケースは36件と4割近くも占めていた。それも、前年同期よりも、22件も増加していた。
全国的に見ても、性犯罪の場合、13歳未満の子どもへの強制わいせつ被害は11年が1019人で、うち男児のケースが96人と10%も占めている。警察庁の統計によるものだ。10年前の方が、2037人中132人と多いものの、占める割合は6%で、男児の被害率が増えていることが分かる。
児童ポルノ作製に当たっては、男児の誘い方も巧妙になってきているらしい。
埼玉県警が10年春に摘発した事件では、男児ポルノ専門サイトを運営する男は、少年モデルのアルバイト募集をうたって、男児らを面接や撮影に呼び出していた。そして、男児らが高校卒業などすると、面接や撮影の補助役としても使っていた。つまり、被害者を加害者に仕立てていたわけだ。
この事件では、1500人以上がサイトから画像3万点余を購入しており、愛好者が多いことも浮き彫りになっている。
2ちゃんねるの「ショタコン」スレッドなど、ネット上でも書き込みは多い。愛好者らは、男児の画像を紹介し合っては、「中学生のサッカー少年たまらん・・」「スパッツ形水着の尻ってエロいよな」などと情報交換していた。