特定保健用食品(トクホ)の炭酸飲料が続々と登場している。アサヒ飲料は2012年11月20日、トクホの炭酸飲料「アサヒ ファイバー7500」を発売する。
キリンビバレッジが4月に発売したトクホ初のコーラ系飲料「キリン メッツコーラ」が大ヒット。その後、伊藤園が7月に「スタイリー スパークリング」を投入し、トクホ飲料の新ジャンルとして、しぼみかけている市場の活性化に期待がかかっている。
トクホとコーラ系飲料の「意外性」ウケた
日本健康・栄養食品協会によると、消費者庁が認可したトクホ食品は2012年5月に1000品目に到達した。しかし、トクホ市場の規模は1997年の調査開始以来続いてきた右肩上がりの伸びが2007年度の6798億円をピークに、09年度は5494億円に減少。11年度には5175億円に縮小した。
食品の種類別でも、清涼飲料水は11年に1247億円と、前回調査の09年と比べて68億円減った。
トクホ飲料は、花王の「ヘルシア緑茶」(04年)やサントリーの「黒烏龍茶」(06年)といったお茶系飲料が中心だが、そこに登場したのがコーラ系飲料の「キリン メッツコーラ」だ。
炭酸飲料の代表格といえるコーラ系飲料は、健康によくないといわれがち。それが「健康によい」トクホ飲料として認可されたことで、それまでメタボが心配で飲むのを控えていた「コーラ好き」が飛びついた。
「キリン メッツコーラ」は食後の中性脂肪対策として有効とされ、また糖類ゼロでありながら、炭酸飲料のシュワッとする刺激と爽快感がある。
トクホとコーラ系飲料の意外な組み合わせがウケて大ヒット。発売当初100万ケースを年間販売目標に置いていたが、わずか2週間でこれを達成。7月には目標を600万ケースに上方修正したが、9月にはさらに100万ケース上乗せして700万ケースに修正するといった勢いだ。
トクホ飲料としては「炭酸系」という新ジャンルを開拓したことで、「(数字のうえでは)単純に上積みになり、市場拡大の期待はあります」(日本健康・栄養食品協会)という。