尖閣・魚釣島に上陸した日本人2人のうち1人が、宗教法人「幸福の科学」を母体にする幸福実現党の党員だったことが分かり、話題になっている。上陸そのものについては、賛否が分かれているようだ。
満州事変の発端になったとされる柳条湖事件から81年後に当たる2012年9月18日は、中国の反日デモがさらに広がる雲行きになっていた。
船には鹿児島市内の政治団体メンバーも
この日は朝から、尖閣諸島の海域も慌ただしかった。中国政府の漁業監視船と海上保安庁の巡視船がにらみ合い、中国漁船1000隻もやって来るとの情報が飛び交う。そんな中で、日本の漁船1隻が魚釣島に近づいていた。
この漁船からは、2人が泳いで魚釣島に上陸し、1時間ほど島内で活動した。その後、出港地の石垣島まで戻ると、国有地に無断で立ち入った軽犯罪法違反の疑いで沖縄県警から事情を聞かれた。
報道によると、漁船には船長・船員を含め5人がおり、3人は、鹿児島市内の政治団体「薩摩志士の会」のメンバーだった。
そして、「幸福の科学」の出版社が運営するサイト「ザ・リバティ」の18日付記事によると、上陸したメンバー2人のうち1人が、幸福実現党の党員であることをマスコミの囲み取材で明かした。「TOKMA」という歌手の男性(45)(東京都在住)で、魚釣島では、日の丸を掲げたりするなどの「愛国活動」をしていた。
TOKMAさんは、党の政策を応援する歌を歌っており、党のイベントでライブをするなどしている。魚釣島では、ギターの代わりにホウキを抱え、「憲法9条改正!」などと訴える自作曲「I love ジパング」を熱唱したという。漁船には、TOKMAさんのほかに、上陸までしなかったものの、幸福実現党員の男性(42)も乗船していた。