尖閣や竹島以外にも「領土問題」で懸念 沖ノ鳥島へ攻勢、離島の土地にも中韓が触手

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   尖閣諸島に竹島と、日本は中国、韓国を相手に領土をめぐる問題を抱える。だがほかにも、この2国が「ちょっかい」を出してきている場所がある。

   代表的なのが日本の最南端、沖ノ鳥島だ。中韓両国は国際法上の「島」ではなく「岩」だと主張し、日本の権益に「待った」をかけようとしている。ほかにも、国内の離島で中韓が「存在感」を示しているケースがあるようだ。

「人間の居住」実態のない「岩」だと主張

   沖ノ鳥島は東京から南に約1700キロ離れた太平洋上の島だ。北小島と東小島の2島からなるが、満潮時には海面上にわずかに露出する程度と小さい。それでもこの島が日本にとって重要なのは、ここを基点とした排他的経済水域(EEZ)を主張できるためだ。そのため政府は、島が完全に海中に沈まないように周囲を消波ブロックの設置やコンクリートで浸食を防ぐ工事を行った。

   2008年11月、政府は大陸棚限界委員会(CLCS)に大陸棚の延長を申請した。国連海洋法条約では、海岸線から200海里(約370キロ)の範囲でEEZを認めるが、大陸棚が200海里を超えて延伸している場合は、申請によってEEZを最大350海里(約648キロ)まで延長することができるためだ。この時の申請には、沖ノ鳥島も含まれた。

   だが中国と韓国は、沖ノ鳥島を「島」と主張してEEZを広げようとする日本を苦々しく思っているようだ。国連海洋法条約の第121条1項は、「島とは自然に形成された陸地で、水に囲まれ、高潮の際にも水面上にある」としている。だが同条3項には、「人間の居住または独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域または大陸棚を有しない」ともある。中韓は、沖ノ鳥島に居住者の実態がなく、条文に沿わない「岩」だとしてEEZを認めるべきではないとの立場をとる。

   これに対してCLCSは2012年4月、日本の大陸棚延伸申請に対して、沖ノ鳥島の北方海域について認めた。中韓の主張を退けた形だが、一方で同島南側海域については決定が先送りされたため、今後の動向は流動的ともいえる。

   自国から遠く離れた沖ノ鳥島に関して「難癖」をつける中韓の狙いは何か。海洋安全保障に詳しい小谷哲男氏は2012年6月19日付の日経ビジネス電子版で、日本が不当に「岩」を基点にEEZと大陸棚を宣言し、海洋資源をかすめ取ろうとしていると批判し、竹島や尖閣の領有権の主張にも国際法上の裏付けがないとのイメージを生みだそうとしている、と説明。さらに中国にとっては、対米戦略で沖ノ鳥島周辺が重要な海域となるが、日本のEEZが認められると海域調査にも日本の許可が必要となり、これを恐れているともしている。

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