ニューヨークやロンドン、パリなど世界主要7都市でスマートフォン(高機能携帯電話)の利用料金を比較したところ、東京が最も高いことがわかった。
総務省が初めて調査したもので、東京のスマホの利用料金は月額7357円。デュッセルドルフが7012円、ニューヨークの6493円と続いた。
海外の多くは「従量制」の料金設定
総務省が2012年8月28日に発表した「2011年度の通信サービス価格調査」によると、スマホの利用料金は、東京とニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ストックホルム、ソウルの7都市を、それぞれの都市で最もシェアの高い通信キャリアの料金体系をもとに、音声通話が月99分、メールの送受信が438通(うち215通を発信)、データ利用量1.6ギガと、条件をそろえて調べた。
その結果、最も高かった東京は月額7357円。次いでデュッセルドルフの7012円。ニューヨーク6493円、ロンドン4626円、パリ3915円、ストックホルム3373円、最も安いのはソウルで2702円だった。比較は11年12月末時点。円換算しているので、東京が高いのは円高の影響もある。
為替の影響を加味した、購買力平価による比較だと最も高いのはデュッセルドルフの9354円、次いでニューヨークの8946円、東京(7357円)は3番目に高かった。ロンドンの6242円、ソウル5209円、パリ4808円と続き、ストックホルムが3603円で最も安かった。
東京のスマホ料金が高い原因を、総務省は「海外の料金体系は、利用量に応じて課金される従量制を採用しているケースが多い。日本は定額制なので、利用量が多い人にはいいですが、少ない人には向いていません」(電気通信事業部)と、料金体系の違いが影響しているとみている。
今回の調査ではデータ利用量の条件を「1.6ギガ」と低めに設定しているため、「これを4ギガ、5ギガと高いほうに合わせると、従量制を採用している(海外の)ほうが料金も高くなると思います」と説明する。
比較した7都市で「定額制」を採用しているのは、日本(東京)とドイツ(デュッセルドルフ)だけ。ただ、「日本の場合はSMS(ショート・メッセージ・サービス)料金なども含まれる完全定額制ですが、独ではSMS料金を別途徴収するなど、日本とは異なります」と、日本のような「完全」定額制はめずらしいようだ。
また、SMS以外のメールやデータ通信の料金が、ほかの都市よりも高いこともある。