韓国の李明博大統領の竹島上陸や天皇陛下への謝罪要求発言などに抗議するための、日本政府の韓国に対する制裁措置として、韓国国債の購入見送りや日韓通貨スワップ協定の交換枠の縮小が検討されるなか、インターネットのブログや掲示板、またメディアにはさまざまな「対抗措置」が寄せられている。
日本政府の対応が、「手ぬるい」「甘い」と感じているようだ。
韓国航空機の日本乗り入れ規制案も
野田佳彦首相の親書を送り返されたことで、日本政府も韓国への制裁措置検討に、ようやく重い腰をあげたようだ。
安住淳財務相は2012年8月24日の閣議後の記者会見で、5月に日中韓の3国で国債の持ち合いを進めることで合意していた韓国国債の購入について、「まだ決めていないが、様子を見させてもらう」と述べ、購入を事実上凍結する方針を示した。
ただ、通貨危機などの緊急時に外貨を融通し合う日韓通貨スワップ協定については、10月に期限を迎えるが、交換枠の拡大措置を延長するかどうかは「まったくの白紙」と繰り返した。
安住財務相は、韓国政府が野田首相の親書を返送したことに不快感を表明。「(韓国大統領の)行きすぎた言動に対する謝罪を見極めたうえで、どうするか決めていきたい」と説明した。
このほか、日本政府が具体化した対抗措置は、8月28~31日の日韓内政関係者セミナーの延期や30日の総合科学技術会議と韓国・国家科学技術委員会の政策対話の延期、29~30日の東南アジア諸国連合(ASEAN)経済閣僚会議での2国間会談の見送りが決まっている。竹島の領有権問題についての国際司法裁判所への提訴は、日本が単独で進める方向だ。
とはいえ、どれも韓国側に大きな打撃を与える措置とはいえそうになく、対立の先鋭化を避け、「未来志向の日韓関係」を掲げる野田首相の考えがにじんでいる。
これを歯がゆく、「弱腰」とみる国民は少なくないようだ。朝日新聞(8月18日付)の「声」の欄には、元外交官が「韓国が本当に困るような目に見える措置を真剣に検討すべきだ」と寄せている。政府の「真剣さ」が見えないというのだ。
具体的には、
(1)韓国での現地生産に対する投資の制限
(2)観光目的での韓国訪問の自粛
(3)韓国航空機の羽田乗り入れ規制
を「制裁措置」としてあげていて、短期的には日韓関係に悪影響を及ぼす恐れがあるが、日本政府が「真剣さ」を示すことで長期的な安定につながる、と結んでいる。
韓国製の電化製品買わない、キムチを食べない…
韓流ドラマに出演する韓流俳優やK‐POPアーティストの来日禁止など、韓流ライブや日韓の文化交流イベントの中止を訴える声もある。
韓流ドラマもK‐POPのスターたちもテレビで見ない日がないほどだが、韓流俳優のソン・イルグクが竹島への遠泳リレーに参加した際には、BS日テレとBSジャパンは予定していた韓流ドラマの放送を延期した。
テレビ局側が事前に視聴者の「反韓感情」に配慮した結果、「見合わせることにした」ものだが、こうした「韓流スター」は、いまや韓国の「輸出品」のひとつだ。韓流イベントはかなりの割合で延期や中止に追い込まれる可能性がある。
韓国への経済制裁についてはネット上でも、韓国旅行を控える、韓国製の電化製品を買わない、キムチを食べない、韓流ドラマを見ない、K‐POPを聴かないなど、「日本人が自らできることをやろう」との呼びかけがみられる。