日本人のコメ離れ止まらず 消費はピーク時から半減、過去最低に

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   国内のコメ離れが止まらない。農林水産省によると、2011年7月から2012年6月までの国内の主食用米の需要実績が810万トンと、過去最低を更新した。2012年7月から2013年6月までの需要予測は798万トンとさらに落ち込み、戦後初めて800万トンを割り込む見通しになった。

   戦後のコメの需要は1963年の1341万トンをピークに、食生活の欧米化や少子化などで減少傾向が続いており、近く農水省が発表する2011年度の食料自給率の低下要因となりそうだ。

震災はプラスとマイナスの両面

   主食米の需要実績は1990年代後半には900万トン台を維持していたが、2001年度(2001年7月~2002年6月)に872万トンに落ち込んでからは、800万トン台で推移してきた。コメはその年の早場米が流通する前の毎年6月末を起点に需要実績を集計するため、コメ特有の会計年度を用いる。

   2011年7月~2012年6月は、東日本大震災と東京電力の原発事故の影響を受けた。放射性セシウムが検出された水田で出荷制限などが行われたため、2万トンのコメが市場に流通しなかったほか、供給に対する不透明感からコメの小売価格が数%から1割程度上昇したことも、需要面ではマイナス要因となった。

   しかし、震災や原発事故はコメの需要にとって、マイナス面ばかりではない。震災や原発事故の直後、多くの家庭が供給不安からコメの買い占めに動いた。とりわけ原発事故の影響で、放射性物質の汚染がない2010年産米を求める消費者が増えた。まさに有事のコメ買いだ。同じ現象は冷夏だった1993年のコメの大凶作の時も起きた。各家庭が有事に際してコメの在庫を増やした分、需要実績にはプラスに働くことになる。これら両面の要因があることから、農水省は「震災や原発事故の影響を一概に今回の需要実績と結びつけるのは難しい」としている。

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