国民的ロールプレイングゲーム(RPG)「ドラクエ」の最新作「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族」が2012年8月2日に発売された。
2009年に発売した前作の「IX」は全世界でシリーズ最高500数10万本出荷という記録を出し、「ドラクエ」人気の凄まじさを示したが、今回の「X」は初のオンラインゲーム。実は、オンラインと発表された当初から「ドラクエにそぐわない」などと反発が出ていた。
「オンラインゲームの人間関係はごめんだ」
「ドラクエ」は86年に第一作が任天堂「ファミリーコンピュータ」用ソフトで発売されるとゲーム史を塗り替える大ヒットになった。プレイヤーが主人公になり、あらかじめ用意されたキャラクターを仲間にし、敵を倒すための壮大な冒険を繰り広げる。プレイヤーは個人個人でゲームに没頭し、自分のストーリーを組み立てていった。
年齢層は幅広く、「ドラクエ」の新作が発売された時だけゲーム機を押入れから出し遊ぶという中高年も多い。
新作の「X」はシリーズ初のオンラインゲームで、オンラインゲームの特徴は、自分が操るキャラクターをゲームフィールドに投入し、ゲームに参加している他のプレイヤー達とチームを組んで敵を倒したり、ゲーム内で使うアイテムの売買をしたりできる。チャット方式で仲間と日常会話や、次に集合する日時や敵を倒す戦略の打ち合わせをしたりできる。オフ会が開かれることも多く、仲間の男女が実際に出会って結婚にいたるケースもある。
ただし、1人でゲームをすることが好きな人にとっては、オンラインゲームの人間関係は「リアルな社会と同じ」でうっとうしいと敬遠する人も少なくない。
そのため、「X」がオンラインゲームと発表されると「ドラクエは1人でやりたい」とネットの掲示板やブログに書き込む人が続出し、「Xはドラクエと認めない!」などと発言する人もいた。