自殺した中2男子生徒をいじめたとされる加害生徒3人のうち、リーダー格の男子生徒が自殺したとのニセ情報がツイッターに流れ、ネット上が騒然となった。実際はデマで、週刊誌が伝える加害生徒の様子とはかけ離れている。
そのニセ情報は、まとめ作成サイト「NAVERまとめ」からの情報の形でツイートされた。
デマ元「ネットでの行き過ぎた身元特定が原因か?」
「大津いじめ事件に新展開 加害者のリーダー各の少年が自殺 ネットでの行き過ぎた身元特定が原因か?」
このツイートがつぶやかれた2012年7月24日には、ツイッターで盛んにリツイートされた。いじめの凄惨な様子が報じられているだけに、「ざまあ」「ならいじめをするなよという簡単なこと」と加害生徒をくさす声が次々に上がった。しかし、同時に、ツイートに貼り付けられたURLの内容を知り、悪質なデマだという指摘も相次いだ。
それらの指摘によると、URLをクリックすると、ポップアップウインドウを閉じることができなくなり、大音量のBGMが鳴る被害に遭ってしまう。実際にクリックし、パソコンやスマホが固まってしまったとの報告も寄せられた。電源を切れば収まるようだが、注意するよう呼びかけられている。
この手のものは、ブラクラ(ブラウザクラッシャー)と呼ばれているようだ。
ブラクラを仕掛けたのは、横浜の高校2年生と称するユーザーらしい。前後のツイートを見ると、個人情報を流したり、殺害予告をしたりしており、悪意のあるユーザーのようだ。
実際はいじめ反省の色なし?
確かに、ネット上では行き過ぎた情報が行き交っているのも事実だ。加害生徒が実際、精神的に追い込まれている状況はあるのだろうか。
報道では、加害生徒の様子が部分的に伝えられており、週刊朝日は2012年7月24日発売号の特集記事で、加害生徒が通っている学習塾の講師の話を書いた。
それによると、リーダー格の生徒らは、生徒アンケートに書かれたいじめについて、「まったくの事実無根」と講師に話したという。「自殺の練習」をさせたことやお金を取ったことも否定し、ケンカはあったものの遊びのつもりだったという。あくまでも被害生徒とは対等だったといい、自殺の原因は、被害生徒が父親と関係が悪かったことにあるとした。
これは、被害生徒の父親が訴えた訴訟で、加害生徒側がいじめでなく遊びと言っている内容とも一致している。
加害生徒に厳しい声が噴出しているのは、自分が悪かったと反省している様子がないことに理由がありそうだ。