「社会人としてあるまじき行為」 那智の滝登った世界的クライマー、スポンサー契約解除

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   世界遺産に登録されている「那智の滝」(和歌山県那智勝浦町)でロッククライミングをして軽犯罪法違反(禁止区域への立ち入り)容疑で逮捕された、世界的アルパインクライマーの佐藤裕介さん(32)がスポンサーから契約を解除されたことが分かった。

   佐藤さんはゴールドウイン社の展開するブランド、「THE NORTH FACE」と契約。2012年7月15日に佐藤さんが逮捕されたのを受け、17日、同社サイトで契約解除の旨が発表された。

「契約アスリートに対し、再発防止の徹底をしてまいります」

   逮捕が明らかになって「即時」契約解除したといい、

「那智の滝は、世界遺産に登録されているだけでなく、熊野那智大社の御神体として神聖なものであり、そこにロッククライミングで登るとは、社会人としてあるまじき行為です」

と激怒。那智の滝を登ることは知らされておらず、驚いているという。

   「この事態を厳粛に受けとめ、今後このようなことが繰り返されないよう、社をあげて社員ならびに契約アスリートに対し、再発防止の徹底をしてまいります」としている。同社コーポレートコミュニケーション室によると、佐藤さんとは2008年8月から契約を結んでいた。

   佐藤さんは15日、会社員ら2人とともに、那智の滝の「立ち入り禁止」の札のかかった柵を乗り越え、滝の約3分の2の高さ、約100メートルを登った。県警新宮署は同日中に3人を釈放、今後は任意で捜査を続ける。3人は「入ってはいけないことは知っていたが、日本一の滝に登りたかった」と供述したという。

アルパインクライミングの分野で日本を代表するクライマー

   佐藤さんは、岩壁や氷壁を登るアルパインクライミングの分野で日本を代表するクライマー。09年には、未踏ルート開拓など、世界の最も優れたクライミングに贈られる「ピオレ・ドール(金のピッケル)」賞を他のクライマーとともに日本人で初めて受賞している。同賞には、テクニックやルートの妥当性だけでなく、環境の尊重なども評価の対象となっていたという。

   那智の滝は華厳の滝(栃木)、袋田の滝(茨城)とともに日本3大瀑布の1つに数えられる。熊野那智大社はこの滝をご神体とし、立ち入りを禁止していた。

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