放射線量は樹齢に比例? 切り倒される大ケヤキ【福島・いわき発】

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   国道6号沿いにそびえる「塩のケヤキ」(=写真)を見ながら、自宅と職場を行き来した。子どもがまだ幼稚園のころ、いわき市平の平窪から神谷へ引っ越した。神谷から平の街にある会社までは車で十数分。旧国道(神谷)から国道6号へ出るとすぐ、「塩のケヤキ」に遭遇する。ざっと35年間、この大ケヤキを見てきた。私のランドマークの一つだ。


   3・11と、狂暴化した台風・低気圧、それがもたらす竜巻の危険――が、この大ケヤキの運命を変えた。所有者によれば、今年のうちにこの大ケヤキは切り倒される。


   10年前までは大ケヤキが2本あった。その1本がある夜、台風に襲われて国道6号に倒れた。2008年11月25日付のわがブログにその経緯が記されている。読み返してそうだったと思い出した。


   その二の舞にならないように、ということもある。が、今回は原発事故が追い撃ちをかけた。


   事故発生時からの放射線量の推移をみると、データとして残っている分では昨年3月15日の未明、いわきの線量がピーク(毎時24マイクロシーベルト弱)に達した。


   そのころ、落葉樹はまだ葉をつけていなかった。私の家の近くの、あるケヤキは夏よりも秋に根元の線量が高くなっていた。幹と枝に付着した放射性物質が雨のたびに流れ落ちてくるからだろう。


   わが区内の線量を定期的に測っている人間としては、樹木の線量はその大きさに比例するのではないかと思われる。若木よりは幹と枝の表面積が多い成木、それよりもっと表面積の多い老木、という順に。枝から幹へ雨とともに根元へ放射性物質が運ばれる。雨樋の吐きだし口の線量が高くなるのと同じメカニズムだ。


   大ケヤキは樹齢140年だという。明治維新からわずか5年後だ、なにかを記念して植えられたものだったか。ほんとうなら「保存樹木」にしたいくらいの大木、そして住民にとっては地区のシンボルだ。あと半年の寿命かと思うと、どうしてもここに書き残しておきたくなった。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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