オウム真理教元信者でサリン事件に関与した菊地直子容疑者(40)と高橋克也容疑者(54)の逮捕は、両容疑者を目撃したという通報がきっかけだったが、菊地容疑者を見つけた人物と、高橋容疑者逮捕の舞台となったマンガ喫茶の店員は、報奨金を受け取る対象にならないかもしれない、という。
通報者が「関係者」ならば支払いは無効となる
菊地容疑者、高橋容疑者ともに、情報提供者には報奨金が最高1000万円支払われることになる。報奨を受け取るのは1人とは限らず、情報が重要なものかどうかで支払われる額が異なり、例えば、英会話学校講師のリンゼイさんを殺害した市橋達也被告に掛けられた1000万円の報奨金は4人に分配されたと報道された。
ただし、容疑者確保に直結する重要な目撃情報を通報したとしても、支払いの対象にならない場合がある。それは、共犯者、情報を得るために法に触れる行為をしたもの、そして容疑者の関係者だ。もちろん、警察関係者は受け取れない。
警察は通報者の名前や素性、支払った報奨金の額を一切明かさないが、複数の報道によれば、菊地容疑者の情報を通報したのは、菊地容疑者の同居人の親族だ、というのだ。「週刊ポスト」(2012年6月22日号)では報奨金に関する特集を組んでいて
「(通報したのは)菊地の同居人の親族なんです。犯人の関係者と認定されれば(報奨金を)受け取るのは難しいかもしれない」
という新聞記者のコメントを掲載している。
高橋容疑者逮捕は、東京蒲田のマンガ喫茶が舞台になり、店員が報道陣のインタビューに応じる姿が繰り返しテレビで流れた。誰もがこのマンガ喫茶の店員のお手柄と思ったようだが、ネットでは、「マンガ喫茶の店員に報奨金は支払われないそうだ」などといった情報が出て、物議をかもしている。支払われないのは通報していない可能性があるためだ。