夏本番が間近になる中、2012年も節電関連グッズの生産や販売が加速している。
日本のうちわの90%を生産する香川県は、すでに量産態勢に入っており、少なくとも前年並みを確保できる、と皮算用している。
うちわ、11年は8割アップで過去最高
香川県ではうちわの生産がフル稼働に入っている。香川県の伝統産業の一つであり、ポリプロピレンの骨を使ったタイプが好調だ。2012年は4月からフル稼働に入っている工場も少なくない。
香川県うちわ協同組合連合会によると、2011年度の販売本数は前年度に比べて約8割増の1億6800万本と、統計が残る1963年度以降で最高を記録した。昨年は生産が間にあわない状態だったが、12年は各社がすでに量産体制に入っており、「いまから8月いっぱいまでが一番多忙な時期」になる。
関東で良質の竹の産地であった「房州うちわ」や、倭寇によって西日本にもたらされた朝鮮うちわを継承した「京うちわ」のように伝統工芸品として売られているうちわと違い、「丸亀うちわ」は販売促進用として配布されるなどして広まっていった。「もとは竹の骨でしたが、それがポリに代わっていきました」(香川県うちわ協同組合連合会)そうで、実用的で安価なのが特徴だ。12年も前年を上回る販売本数を期待している。