東京都が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を購入する計画をめぐり、都議会の主要会派の態度が煮え切らない状態が続いている。最大会派の民主党は、「態度保留」と回答するように求める「想定問答」まで示している。世論調査では買い取りに賛成する声が多いものの、「何故、都が買う必要があるのか」という声も根強く、「様子見」が続いている。
2012年5月18日時点で、東京都が設けた尖閣諸島用の寄付口座には5万7467件、7億9274万8466円の寄付が寄せられている。だが、仮に寄付金を活用したとしても、実際の売買には都議会の議決が必要だ。
購入額が決まらないと態度決められない
ところが、カギを握る主要会派が、いずれも態度を明確にしていないのだ。例えば最大会派の民主党は、4月23日付けで山本太郎幹事長名で、尖閣問題について質問された際に「『現時点では態度保留』とさせていただきます」と回答するように求めるファクスを所属議員に送っている。「知事から真意について説明を受けていない」ことを理由として挙げており、ファクスが送られて以降、会派として特段の話し合いは持たれていないという。 5月22日に役員会と総会が開かれることになっており、尖閣問題も議論されるとみられる。
自民党も、
「正式に予算の提案があってから話し合うことになると思う」
と、購入額が決定してからでないと会派内部でも議論が始められないとの立場だ。公明党も、会派としての立場は決めていない。
読売新聞が124人の全都議にアンケートを行った結果によると、賛成が7人で反対が13人。実に104人が「態度保留」とした。