大阪では10日(2012年4月)、府と市の合同会議が、原発再稼働のための「8条件」(メモ参照)を提示した。
原発事故のA級戦犯ともいえる原子力安全・保安院や原子力安全委員会がそのまま、原発再稼働の安全性について形ばかりのチェックをやって「安全」と言われても信用できない、という極(ごく)まっとうな感覚だ。
「信用しろ」という方がおかしい
この8条件を満たさずして「信用しろ」という方がおかしい。
こういう検討は、本来なら、政府がやっていないといけない話。藤村修官房長官は「支離滅裂」とか発言したが、中央政府がやるべきことをやらないから、地方から突き付けられていることが分かっていない。もっとも、その後、意見は聞くとも話した。
このやりとりは典型的な中央集権発想である。あくまで決定主体は中央政府であり、その参考として地方の意見も聞いてやるというスタンスだ。原発再稼働では、8条件の内容を進めて、決定権を地方が持つように地方分権すればいいと思う(ただし、規制機関は中央政府でもいいとか、中央政府の役割は残る)。
地方分権というと、中央政府の経産省官僚は地方に任せられないという。しかし、中央政府の保安院官僚が書いたとおぼしき安全基準を中央政府の4大臣会合(総理、官房長官、経産大臣、原発担当大臣)で政治決定して、それで地方が納得しろといわれても、今回のような決定を急いだプロセスではまず無理だろう。