りそな銀行が、年中無休の営業店「セブンデイズプラザうめきた」(大阪市北区)を、2012年4月1日にオープンした。営業時間は11時から19時。無人のATMコーナーが24時間365日稼働することは珍しくなくなったが、有人対応で年末年始やお盆、ゴールデンウィークも含め、曜日を問わず営業する店舗は大手銀行では初めてだ。
オープン当日はちょうど日曜日。従来であれば休業日にあたるが、予約していた来店客が行員から住宅ローンなどの説明を受けていた。
住宅ローンや資産運用、保険商品の相談や契約ができる
ヨドバシカメラマルチメディア梅田が入るビルの地下1階にできた、りそな銀行の「セブンデイズプラザうめきた」(大阪営業部セブンデイズプラザうめきた出張所)は、1日240万人が乗降するJR大阪駅の目の前にある。
お客の利便性を高め、営業時間を通常の銀行より遅い19時まで(11時から)とすることで、平日の営業時間内の利用がむずかしいビジネスマンなどが会社帰りに気軽に立ち寄れる店舗にした。「預金口座の有無に限らず、誰でも利用できるようにした」(りそな銀行広報部)という。
「セブンデイズプラザうめきた」では、現金の取り扱いはATMでのサービスに限るが、口座開設などの手続きや各種届けの受付、生体認証情報の登録などができるほか、「家計の見直し・節約」「浮いたお金はしっかり貯蓄」の2つのキーワードを掲げ、さまざまな資産運用の相談や、住宅ローンの借り換え、や保険商品の見直しなどの相談と契約を、専任スタッフが個別にアドバイスする。
ただし、利用には事前予約が必要。それにより、落ちついた雰囲気のコンサルティングスペースで、利用者は待ち時間なしでじっくりと相談できるほか、キッズスペースを完備して、子ども連れでの利用も可能にした。
同行は「すでにかなりの反響があって予約も好調です。顧客ニーズを吸収し、対応していくことで、こうした(年中無休の)店舗が広がる可能性はあるでしょう。好評であれば、首都圏での出店も検討していきたい」と、期待する。
「やろう」と思えば、どの銀行でもできる
かつて、銀行店舗には営業時間や出店などにさまざまな規制が設けられていたが、規制緩和が進み、現在ではかなり柔軟な出店が可能になった。
銀行の休日営業や営業時間についても、2006年までは銀行の休日を「土日祝日」と規定し、営業時間も「9時から15時」と定めていたが、これを住宅ローンの申し込みや相談を取り扱う個人向け店舗などで、変更を認めた。
金融庁は、銀行の営業時間について「原則9時から15時までが確保されていれば、あとは銀行の創意工夫にまかせていて、営業時間を延長することを妨げるようなことはしません」と話す。
また休日営業についても、銀行法で「国民の祝日に関する法律に規定する休日」「12月31日から翌年の1月3日までの日」「土曜日」と定めているが、これも金融庁に届け出ることで営業は可能だ。
年中無休の営業店は、りそな銀行のほかには岐阜県の地方銀行、大垣共立銀行が8か所で「エブリデープラザ」を開設しているに過ぎない。
基本的には、どの銀行でもやろうと思えば可能ではあるが、金融庁は「運営にかかるコストなどの問題をクリアしなければならないので、そう簡単ではないようです」と話している。