「いじめのない社会をつくる責任がある」
なお、越市長は北海道大学大学院在学中に、司法試験に合格。大手弁護士事務所勤務を経てハーバード大ロースクールを修了している。
そんな華麗に見える経歴を持つ越市長が、意外な一面を見せた。
12年3月13日には、滋賀県内の県立中学校3校をのぞく公立中学校97校で卒業式が行われ、越市長も市内の中学校の卒業式に出席した。この中学校には、11年10月に、いじめを受けてマンションから飛び降り自殺した2年生の男子生徒が通っていた。そのこともあって、自分がいじめを受けた体験を涙ながらに「死にたいと思った」などと告白したのだ。
いじめを受けたのは小学校3年生と高校1年生の時で、同級生から無視されるなどしたという。越市長は、卒業生や在校生の前で「いじめのない社会をつくる責任がある」と、いじめ撲滅に向けた意気込みを新たにしていた。
なお、自殺した生徒をめぐっては、遺族が2月24日、「市が適切な対応を怠った」などとして加害生徒3人と保護者、市を相手取って約7720万円の損害賠償を求めて大津地裁に提訴している。これを受けて、越市長は3月7日の会見では「法的責任は裁判で争うこと」として公式なコメントを避けていたが、やはり思うところがあったようだ。