日本の将来を占う分岐点 経常収支赤字は2019年?

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   日本と外国とのモノやサービス、資金のやりとりを示す2011年の「経常収支」の黒字が前年比43.9%減の9兆6289億円と15年ぶりに10兆円を割り込んだ。

   東日本大震災、急激な円高、タイの洪水など幾重にも日本を襲った荒波にもまれ、貿易収支が大幅な赤字になったのが主因だ。貿易赤字は今年も赤字の可能性があり、経常収支も遠からず赤字になるとの予測もある。果たして日本経済は大丈夫なのか。

所得収支の黒字は4年ぶりに拡大

   2011年の経常黒字が減った主因は、輸出入の集計である貿易収支が1兆6089億円の赤字に陥ったこと。輸出は円高や海外の景気低迷、震災やタイの洪水による生産減があった割には前年比1.9%減の62.7兆円と歴代5番目の水準だったが、輸入が64.3兆円と同15%も増えた。原発事故で火力発電向け液化天然ガス(LNG)などの燃料輸入が急増したことが響いた。日本人の海外旅行での支出を含むサービス収支は1兆6407億円の赤字で、前年より2264億円増えた。

   国境を越えた投資収益(海外投資による利子・配当金収入等)など日本企業が外国で得た収益から外国企業が日本国内で得た収益を差し引きした所得収支の黒字は前年から19.9%増えて14兆296億円と、4年ぶりに拡大。新興国を中心に海外子会社から受け取る配当や利子が増えたことが貢献した。だが、貿易赤字を補うには遠く及ばなかった。

   問題は貿易赤字が続くのか、経常黒字は維持できるのか、赤字に転落するのかだ。

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