アメリカで入国を拒否されたと、お笑いタレントがブログで次々に告白した。一般人でも、思わぬ理由で拒否の対象になるというのだ。
「国際指名手配!?」
こんな仰々しいタイトルでブログを書いたのは、お笑いコンビ「ハイキングウォーキング」の松田洋昌さん(35)だ。
ハイウォー松田さんもハワイで巻き込まれ
その2012年2月11日付ブログによると、松田さんは、ある番組スタッフに預けた自らのパスポートをそのスタッフが紛失して以来、アメリカの入国審査では必ず1時間ほどパスポートを調べられると告白した。9日にハワイに旅立ったが、入国の際に別室に連れて行かれて、またもや事情聴取を受けることになったそうだ。
入国審査官が繰り返し聞くのは、オンラインで事前に出入国カードに書き込めば済むビザなしの電子渡航認証システム(ESTA)を2回も申請されたままになっているのはなぜかということだ。
「パスポートをなくしたので、ESTAを再申請しました」。松田さんは、いつもこう強調するのだが、なかなか分かってもらえない。パスポートをなくした理由などを聞かれ、英語が話せずにいると、日本語ができるスタッフが出てきて、ようやく通してもらえるという。
そこで、今回はマネージャーに依頼して事前に調べることにした。その結果、なくなったパスポートがだれかに使われているか、国際指名手配犯と同姓同名であるか、などの可能性があることが分かった。そして、弁護士を立てるか、アメリカで調べて手続きをするかの必要があると報告を受けた。
とりあえずハワイでは、英語の質問状を審査官に渡すことにした。それを受けて、審査官が調べたところ、なくなったパスポートのESTAが未だに使われていることになっていて、これがコンピュータのミスだと最終的に判明したそうだ。
アメリカでの入国拒否については、お笑いコンビ「スリムクラブ」の真栄田賢さん(35)も2月13日のブログで明かしている。
スリムクラブ真栄田さんも入国拒否?
ブログ書き込みによると、真栄田賢さんは、番組ロケのためにアメリカ経由でバハマに行こうとした。ところが、アメリカで入国拒否され、1人だけカナダ経由で行くことになったというのだ。真栄田さんは、テロリスト顔でもないのにとこの事態を嘆いた。なお、この書き込みは、後になってなぜか削除されている。
2001年の9・11同時多発テロ以来、入国審査が厳しくなったと伝えられているが、現在も日本人の入国拒否が相次いでいるのか。
外務省に取材しようとすると、在日米国大使館に聞いてほしいと言われ、大使館のプレスオフィスでも、「先日ほかのメディアから問い合わせがありましたが、件数などを調べられませんでした。ですので、本国の国家安全保障省に直接聞くしかありません」とのことだった。
ビザ取得の支援サービスをしているアルビスジャパンでは、日本人の入国拒否の相談が増えていると広報担当者が明かした。
「テロ以降、すごく厳しくなっているのは事実です。簡単に入国できると思ったら、何十年も前の記録が残っていてESTA認証が取れない、といった相談が次々に来ています。中には、旅行前日に申請したもののダメだった、どうしよう、といったケースもありました」
不法滞在になるオーバーステイを過去にしていたときなどは、厳しく見られるそうだ。このほか、運転免許のうっかり失効などでも拒否されるケースがあるという。しかし、それだから必ずしもダメだとも言えず、また、指名手配犯と同姓同名で拒否されながら、もう一度申請して通ったこともあり、ケースバイケースだとした。
ESTA認証が通っても、入国審査でひっかかることも多い。ESTAで虚偽申請して入国審査で見つかった場合は、深刻な問題になりかねないという。
ツイッターなどネット上の書き込みで外国人がアメリカで入国拒否されたとの報道も出ているが、広報担当者は、「こちらでは今のところ、そのような日本人の例は把握していません」と話している。