国民年金や厚生年金などの公的年金をもらえる金額から支払った金額を差し引いた生涯収支を世代間で比べると、1985年生まれ(27歳)は712万円の受け取り不足(赤字)になり、1955年生まれ(57歳)以下の世代で支払金額のほうが多くなることが、内閣府経済社会総合研究所の試算でわかった。2012年2月6日付の日本経済新聞が報じた。
1950年生まれ(62歳)は生涯の保険料の支払金額が1436万円、受取金額は1938万円で502万円の受け取り超過(黒字)になる。しかし、55年生まれ(57歳)世代の収支で数千円のプラスに縮小。それ以下の世代の収支は赤字になり、85年生まれ(27歳)は712万円の赤字になる。20年間年金をもらうと仮定した場合に、月3万円ずつ足りない計算になる。赤字の額はデフレが長引くほど拡大する。
ただ、企業負担を除いてみた場合、自己負担が約半分として計算すると、90年生まれの人の自己負担額は約960万円。年金受取額は1200万円強なので、まだ制度に加入する恩恵はある。