金融庁は、東日本大震災で被災した岩手県、宮城県、福島県の4つの信用金庫に合計で630億円の公的資金を資本注入する、と2012年2月2日に発表した。信金に公的資金を予防的に注入するのは初めて。
資本注入額は、宮古信金(岩手県)が100億円、石巻信金(宮城県)が180億円、気仙沼信金(同)が150億円、あぶくま信金(福島県)が200億円。4信金が優先出資証券を発行し、それぞれ8~9割を預金保険機構、1~2割を信金中央金庫が引き受ける。負担額の合計は国が547億円で信金中金が83億円。財務基盤を強化して資金需要に応える狙い。
いずれも震災や津波で店舗が破損したり、震災や福島第一原子力発電所の事故で取引先の中小・零細企業や個人事業主などが大きな影響を受けたりして、貸出債権の一部の回収が難しくなっている。
震災の被害を受けた金融機関への公的資金注入はこれにより、仙台に本店を置く七十七銀行をはじめ3銀行4信金2信組、注入額は1840億円にのぼり、11年度内の注入は一巡した。