日本老年医学会は高齢者の終末期医療とケアについて、胃に管で栄養を送る胃ろうなどの人工的な水分・栄養補給や人工呼吸器の装着は慎重に検討し、「治療の差し控えや中止も選択肢として考慮する」との見解をまとめ、2012年1月28日に明らかにした。終末期医療に対する基本的な考え方を示す「立場表明」の改訂版に盛り込んだ。表明の改訂は11年ぶり。
近年、口から食べられない高齢者に胃に管をつないで栄養を摂る胃ろうが普及しているが、欧米では一般的でなく、また認知症末期の寝たきり患者などにも広く装着されていることから、その是非が議論になっている。
改訂版では、高齢者の終末期における「最善の医療およびケア」を「必ずしも最新もしくは高度の医療やケアの技術すべてを注ぎこむことを意味するものではない」と明記した。