奮闘、「定昇維持」が最大の焦点に春闘 経団連、8年ぶりに「凍結」vs連合「譲れない」

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   経団連の米倉弘昌会長と連合の古賀伸明会長が2012年1月25日、東京・大手町の経団連会館で会談し、今年の春闘が実質的にスタートした。経団連は東日本大震災や円高を理由に「負担が重い企業は定期昇給の延期・凍結も行わざるをえない」と定昇凍結の可能性に言及した。経団連が定昇凍結を春闘方針で明確にしたのは、デフレ不況が問題になった2004年春闘以来8年ぶり。

   これに対して連合は「労働者の雇用と生活は危機的な状況にある」と定昇維持はもちろん、労働者の給与総額を1%引き上げるよう求めた。3月中旬の集中回答日に向け、定昇維持を最大の争点に労使の攻防が本格化する。

震災・円高・欧州危機で四苦八苦

   会談の冒頭米倉会長は「震災の影響、行き過ぎた円高、欧米諸国の景気低迷など、わが国企業を取り巻く環境は依然として厳しい」と強調。春闘については「企業が抱える課題を労使で共有しながら、自社の存続と雇用維持のために議論していく姿勢が求められる」と述べ、賃上げよりも、従業員の雇用を優先すべきだとの考えを表明した。

   対する古賀会長は「非正規労働者が増え、14年連続で3万人以上の自殺者が出るなど、社会的不安が許容範囲を超えている。働く者への適正な配分が内需拡大、デフレ脱却につながっていく」と切実に訴え、賃上げを求めた。

   古賀会長の主張に対して、米倉経団連会長は会談後の定例会見で「自殺については所得配分が直接響いているんじゃなくて、将来に対する不安からではないかと思う。(自殺は)それほど所得と結びつくものではない」などと反論。労働者の所得が増えれば消費が増え、内需拡大に結びつくとの連合側の主張については「所得の再配分によって消費が喚起されることは、経済学的には考えられない」と一蹴した。

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