日本テレビ系の報道・情報番組でコメンテーターが「キチガイ」と話し、ほどなく女子アナが対象発言を明確にしないまま謝罪した。
インターネット上では、発言を批判する声が上がる一方、「過剰反応ではないか」といった指摘も出ている。精神障害者団体の関係者にも意見を聞いてみた。
米ソの核兵器開発競争を語る文脈
該当番組は2012年1月15日に放送された「真相報道バンキシャ!」だ。1954年のビキニ環礁水爆実験の影響を受けた周辺地域の「今」を伝えるコーナーで、コメンテーターの河上和雄・元東京地検特捜部長が、実験当時は米ソ冷戦の中、東西陣営の対立が激しかったと指摘し、
「(東西陣営)両方ともキチガイみたいにどんどん原爆(核兵器)をつくろうとしていた」
と「キチガイ」との言い回しを使った。
その後、別の話題のコーナーをはさんだ後、番組終了近くに鈴江奈々アナが「さきほど番組の中に不適切な発言がありました。大変申し訳ございませんでした」と頭を下げた。
謝罪が、どのコーナーのどういう発言なのか、という説明はなかった。
河上氏発言のほかに謝罪が必要そうな発言はなかったと受け止めた人が多かったようで、ほどなくネット上では「キチガイ発言で日テレ謝罪」などと書き込みが始まった。「基地外」「キチ●イ」という表記を使う人もいた。
「不適切な発言」との指摘も出る一方、「そんなにマズイんだったけか?」「なんでそんな騒ぐの?いいじゃん」と「謝罪は過剰反応ではないか」という文脈の指摘も相当数並んだ。