放送が始まったばかりのNHKの2012年の大河ドラマ「平清盛」が依然話題になっている。リアルさを追求した演出に対し、物語の舞台となった兵庫県知事が「画面が汚い」とクレームを付け、今度はそうした兵庫県知事に対して批判が出る始末だ。
「平清盛」は2012年1月8日に初回が放送された。事前に番宣を打ちまくり、積極的にPRしていたNHKだったが、視聴率は17.3%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)と歴代ワースト3位だった。
「あんな汚い画面を日曜日の憩いどきにやらなくてもいい」
これに対し、ドラマの舞台となった兵庫県の井戸敏三知事が意見した。10日の会見で記者から視聴率が悪かったことについてどう思うか、と問われ、
「私も日曜日観ました。画面が汚いですね。あんな鮮やかさのない薄汚れた画面じゃチャンネル回す気にならないんじゃないかというのが第一印象。家のテレビ、色がおかしくなったのかなと思うような画面だった。プロデューサーも意図があるのかも知れないが、あんな汚い画面を日曜日の憩いどきにやらなくてもいいんじゃないか。もっと華やかで、生き生きとして躍動感の溢れる清盛らしさを強調して頂くといいなと思った」
と語った。確かに、「平清盛」では当時の時代状況をリアルに再現するため、登場人物の衣服が汚れている。路地を歩くシーンなどでは画面に埃が舞っている。
さらに井戸知事は「時代考証に忠実に番組編成するという方針だとは聞いていますが、観る人は何も時代考証学ぶために観てる訳じゃない」とし、「画面の出来不出来が悪いのではなく、番組の人気が出るかでないか出ないかで観光も影響を受ける」と説明。県では番組とタイアップしながら観光客を誘致していく方針だったので、「これからのドラマ展開を大きく期待したい」と話した。