2011年12月31日に行われた「第62回NHK紅白歌合戦」は紅組の勝利で幕を閉じた。紅組が勝利するのは04年以来、実に7年ぶりということもあって、報道陣からは「おおっ!」と、予想外の結果にどよめきの声があがった。
2011年の紅組は、KARA、少女時代といったK-POP勢が初出場を果たしたほか、AKB48は210人という異例のスケールでステージに登場。松田聖子さん・神田沙也加さん親子が親子で共演したり、病気療養中だった絢香さんが2年ぶりに復帰を果たすなど比較的話題が多く、視聴者票を押し上げる要因になったとみられる。紅組の通算成績は29勝33敗。
結果発表後、小林幸子さんは、ステージから
「勝った!やっと勝った!」
と小躍りしながら楽屋にダッシュ。
AKB48の主要メンバーも
「紅で勝つのが、こんなにうれしいとは思いませんでした」(大島優子さん)
「今年は女の子の勢いってのがすごいのかなって思いました」(高橋みなみさん)
と、笑顔で会場のNHKホールを後にした。
一方、白組の司会を務めた嵐の松本潤さんは、
「負けたけど、いい経験になりました」
と、悔しさをにじませた。
「猪苗代湖ズ」には舞台裏からも拍手
震災関連の演出も目立った年だった。8年ぶりに出場した長渕剛さんは、被災地の宮城県石巻市から、新曲「ひとつ」を披露。福島県出身の4人組バンド「猪苗代湖ズ」が福島県への愛をテーマにした「I love you & I need you 福島」を歌い上げると、舞台裏の報道陣や番組関係者からもいっせいに拍手が起きた。また、福島県出身の西田敏行さんは、新曲「あの街に生まれて」を歌った。
出演者は、
「福島(での災害)は全然終わってないんで。これからも福島の人たちと頑張っていきたい」(猪苗代湖ズ・山口隆さん)
「子供の頃に、磐梯山や安達太良山…東京には空がないというけど、本当の空を見て育ったもんですから。あの空をもう一度取り戻したい。まだね、復興の緒にもついてないというのが現実だと思うんですよ」(西田敏行さん)
と、復興への思いを口にしていた。
番組後半には、6月に復興支援のために来日したレディー・ガガさんが米ニューヨークから録画で登場し、「ボーン・ディス・ウェイ」など2曲を披露した。