「すすめ!!パイレーツ」などで知られる漫画家の江口寿史さん(55)が、若手らの描く漫画の背景が実写そのものすぎてうんざりだとツイッターで批判した。これに対し、売れっ子の若手らが反論して、ネット上で議論になっている。
きっかけは、江口寿史さんが2011年11月29日、こうつぶやいたことだ。
「ああもう、背景が写真や映画そのもののような漫画は死ぬ程うんざりだ」
若手は「色んな技法があっていい」と反論
このツイートに対し、昭和30~40年代のギャグ漫画の絵柄がよいのかと質問が出たが、江口さんはそれを否定した。そして、実際の漫画名を出し、「あれが漫画だと言うのなら漫画の魅力はこの先どんどんなくなっていく」と批判した。
名指しされたのは、花沢健吾さん(37)の「アイアムアヒーロー」と浅野いにおさん(31)の「おやすみプンプン」だ。ともに、漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」で連載されている売れっ子の人気作品だ。
江口さんは、これらの漫画の背景は、写真をトレースしたりパソコンで加工したりして作っており、イマジネーションが感じられないと指摘した。あくまで個人的な好き嫌いの次元だとしながらも、背景を実写化していく傾向に警鐘を鳴らそうと、この2作品を代表格に挙げたという。
これに対し、浅野いにおさんが30日、ツイッターで反論した。絵柄に文句を言われ、「血の気が引く」思いがしたとし、「色んな技法があっても僕はいいと思う」とつぶやいた。ただ、「漫画らしい表現から遠ざかろうとしていた」とし、魅力がないと言われても仕方がないなどと弱音も漏らした。
こうしたやり取りは、ツイッターまとめサイト「togetter」で紹介され、ネット上で反響を呼んでいる。
このサイトでは、花沢健吾さんがツイートに気づいていないとして、代わりに花沢さんの下ネタのツイートが紹介された。それに気づいた花沢さんは、江口さんへの反論などはせず、「うわぁこの流れ、俺がただのバカじゃないか!」と嘆いてみせた。