SNSの利用者数調査をめぐり、ミクシィ(mixi)が「誤解を与える解釈、報道が生じる調査」と、異例の強い調子で中身を批判するコメントを発表した。調査会社の集計方法が変更になったため、利用者数が急に減少したように見えたのが原因だ。
調査会社は以前の利用者数についてもデータを集計し直して公表したが、その結果、ゆるやかに増加しているように見えたミクシィのPCサイト利用者数は、実は減少傾向で、2011年6月にはフェイスブックに追いつかれていたことが明らかになった。
「誤解を与える解釈、報道が生じる調査」と非難
日本の主要SNSの訪問者数の推移(自宅と職場のPC経由)。11年6月の時点で、フェイスブックの利用者数がミクシィに追いついている
*注1=mixi(参考値)はニールセン・ネットレイティングスが2011 年10 月に実施した集計対象外URL としたURL を含めずに訪問者数を推計した値です。
*ニールセン・ネットレイティングス調べ
調査会社のネットレイティングスでは、家庭と職場のPC経由でのアクセスデータをもとに、ネットの視聴動向についての調査を行っている。同社では、契約した顧客向けに月次の視聴率データを公開しており、11月18日に10月分の「ネット視聴率調査」の結果を公開した。それによると、9月のミクシィの利用者数は1472万3000人だったのに対して、10月は838万5000人。1か月に43.0%も減少してしまったかのように見える。
これは、ミクシィ内のコンテンツを推薦する「イイネ!」ボタンと呼ばれる機能が原因だ。11年9月までは、ミクシィ以外のサイトに設置されたボタンをクリックした際も「ミクシィを訪問した」とカウントされていたが、10月分からはカウントをやめたため、利用者数が急減したかのような結果が出た。
なお、フェイスブック(Facebook)など、ミクシィ以外のSNSにも同様の機能が付いているが、ミクシィのような計算方法はとっていないという。
ネットレイティングスでは、
「(ミクシィの「イイネ!」ボタンのような)データの集計対象外URLの追加に伴う、データの変動に関しては通常、弊社は告知しません」
と、当初は数値の変動の背景について解説していなかったこともあって、一部ブログで「ミクシィの利用者数が急減した」などと書かれ、騒ぎが広がった。
これを受けて、ミクシィは11月25日、異例の反論プレスリリースを発表している。SNSの利用者数やページビュー(PV)は広告単価に大きく影響するため、強い姿勢で臨んだものとみられる。発表では、データについて「誤解を与える解釈、報道が生じる調査」と非難。自社で行ったデータ調査を根拠に
「利用者数に関して、報道等で見られるような大幅な減少はございません」
と主張した。