デートスポットで伏し目がちに歩いていた「独り身」も胸を張れる時代がやってきた。
最近の調査で、街行く若者たちの過半数以上に「彼氏・彼女」がいないことが分かったのだ。
「交際相手がいない」がどんどん増えている
2011年11月25日、国立社会保障・人口問題研究所が発表した「出生動向基本調査(独身者調査)」では、異性の交際相手がいない18~34歳の未婚者が男性で61.4%、女性では49・5%に上り、いずれも過去最高になった(10年6月実施)。前回の2005年調査と比べると、「交際相手がいない」割合は、男性では9.2%、女性で4.8%増加している。
Twitterや2ちゃんねるでは、この結果に対して「いい時代になったな」「どうやら俺はマジョリティらしい。安心した」という安堵の声が寄せられたほか、「付き合ってる奴のほうが異常ってことが証明されたな」などという強気の発言も出てきた。
この傾向は他の調査でも同じだ。内閣府が5月に発表した調査でも、20~30代の未婚男女のうち64%が交際相手なしという同様の結果が出ているほか、9月に発表された結婚情報サービス「オーネット」による調査では20~40代の未婚男性900人のうち78%が「相手なし」と回答しているなど、もはや適齢期の「お一人さま」過半数超えは定着しつつあるようなのだ。
結婚願望は依然90%
しかし、いくら多数派とはいえ現状を嘆く声も少なくない。実際、前出の「独身者調査」で「いない」と回答した男女のうち過半数が「交際を望んでいる」としており、未婚者全体でも「いずれ結婚するつもり」との回答が例年通り90%前後に達している。
独身でいる理由(複数回答)については、20代前半は「まだ若すぎる」「必要性を感じない」「仕事・学業にうちこみたい」など積極的な動機がないことが理由として挙げているが、20代後半から30代前半は「適当な相手にめぐり会わない」など結婚の条件が整わないというものが多く、出会いの少なさが未婚率増加に拍車をかけているようだ。
交際相手なしの「独り身」が市民権を得つつあるわけだが、「合計特殊出生率1.39」(2010年)という日本の少子化の現状も頭の片隅に入れておきたい。彼女なし・彼氏なしが増えて結婚する人が減ると、ますます少子化傾向が進むことになる。そうなると、必然的に日本社会の活力が衰え、日本の将来が危うくなる。ここは「いずれ結婚するつもり」の90%の人たちに奮起してもらうしかないのかもしれない。