通販雑誌「通販生活」(カタログハウス発行)のテレビCMが放送を断られたとして、波紋が広がっている。同誌は環境問題について意見表明をすることも多く、最新号の巻頭特集は「原発住民投票」。同誌側は「あくまで雑誌を宣伝するためのもの」と話すが、現時点では、原則として一部の政党CM以外の意見広告はテレビでは流れない。このCMも、テレビ局側は意見広告だと受け止めたようだ。
「巻頭特集は『原発国民投票』」と読み上げる
カタログハウスが定期的にCMを流している唯一の番組がテレビ朝日系の「報道ステーション」だ。だが、カタログハウスの広報担当者によると、最新号のCMについては放送できないという連絡が広告代理店を通じてあったという。
CMは、黒地に
「原発、いつ、やめるのか。それとも、いつ、再開するのか。それを決めるのは、電力会社でも、役所でも、政治家でもなくて、私たち 国民一人一人。通販生活秋冬号の巻頭特集は『原発国民投票』」
とテロップが流れ、男性がその内容を読み上げるというもの。最後に、「一日も早く、原発国民投票を」と書かれた表紙が表示され、男性が「全国書店で発売中」と読み上げてCMは終わる。本来ならば、放送を断られて「お蔵入り」になるはずのCMだが、カタログハウスのユーチューブ公式チャンネルで公開されている。現時点で、3万8000回以上再生されている。
書店では11月15日に発売された「秋冬号」の特集では、原発の賛否についての国民投票を求める論調が展開されている。具体的には、インタビューで国民投票に否定的な発言をした民主党の前原誠司政調会長の発言を、国会議員は官僚や選挙区の影響を受けやすいこと引き合いに
「そんな議員さんたちと比べて国民は理性的、客観的な判断力で劣るとは言えないと思うのですが」
などと批判。それ以外にも、「『原発なしでは電力需要はまかなえない』のウソ」と題して、「脱原発」に向けた識者4人の主張を5ページにわたって掲載している。