千葉のバスジャック事件で、千葉日報の記者が社名入り腕章を県警の求めに応じて貸したため社内で厳重注意を受けたことに、ネット上で疑問が相次いでいる。別の報道機関記者は、県警の求めに断ったというが、どうなのか。
千葉中央署の刑事一課長によると、バスジャックの現場近くには、たまたま別々の報道機関の記者が2人いた。
別の報道機関記者は、千葉県警の求めを断る
現場では、莊司政彦容疑者(65)が「マスコミを呼べ。渡したいものがある」と要求していた。捜査員は、記者に扮して容疑者に近づこうと考えたが、人質に刃物が突きつけられ「かなり切羽詰まった状況」(一課長)だったため、2人に記者腕章貸し出しを求めた。
最初は、千葉日報と違う報道機関の記者に依頼したが、断られてしまった。
「理由については、捜査員に聞いていませんが、記者は上司にお伺いを立てなければならなかったのでしょう。個人で判断できなければ、断るしかなかったのだと思います。実際に伺いを立てたかは分かりません」(一課長)
そこで、千葉日報社編集局の男性記者(28)に依頼すると、その場でOKを得られた。報道によると、この記者は「問題があるとは思ったが、個人の判断で人命優先だと考えて協力要請に応じた」と後に会社で説明したという。つまり、上司に相談せず自分の頭で考えたということだ。
ところが、記者は、社内では厳重注意を受けることになった。
他紙がこのことを記事に取り上げると、ネット上では、千葉日報の対応に疑問が相次いだ。「一言連絡入れるのが社会人の常識だろう」「もう腕章つけてるからって信用できないな」との声もあったが、厳重注意への批判が圧倒的だ。
「何がわるいんだ?」「普通は警察から表彰されるわ!!」「人命より記事が大事」「マスゴミ狂ってるな」…
ヤフー・ニュースが記者の行動について意識調査をしたところ、9割近くが「問題なし」と答えた。「問題あり」は、1割に留まっている。