CS放送の「朝日ニュースター」が2012年3月いっぱいでスタッフが全員退職し、事実上「消滅」する。
「記者クラブ問題」などメディアへの自己批判や、最近では積極的な「反原発」報道を繰り返すなど、「異色」の報道専門チャンネルとして熱心なファンを抱えている。テレビ朝日に事業を譲渡する形になるが、スタッフが全員退職することもあり、特色が薄れるのではないかと残念がる向きも出ている。
「ありきたりなチャンネルになってしまうのかな…」
朝日ニュースター、「事実上消滅」に惜しむ声も(写真は、朝日ニュースターのホームページ)
「朝日ニュースター」を運営する「衛星チャンネル」は、2012年4月1日付でCS放送事業をテレビ朝日に譲渡することで、2011年7月29日に基本合意した。衛星チャンネルは解散。スタッフも全員退職する。
衛星チャンネルは、「正社員については、割増退職金の支給などを盛り込んだ希望退職を募ったところ、ほとんどの社員から応募がありました。再就職先も、最大限の努力をしています」と明かし、解散に向けての作業は粛々と進んでいる。
「朝日ニュースター」はこれまで、討論番組や時事解説などに多くの時間を割いたり、記者会見の生放送や、ビデオジャーナリストによる取材を取り入れたりするなど、報道スタジオからニュースを伝える従来型のニュース放送とは異なるスタイルをとってきた。
マスコミの検証番組やメディアへの自己批判などを取り上げることも少なくなく、ネットなどでは、
「ノーカット、リアルタイムの東電や保安院の記者会見など、これまでのニュース番組にはないものがあった」
「制作スタッフがすべて入れ替わってしまうと、今までのような内容で今後も放送されるのか」
「ありきたりなチャンネルになってしまうのかな…」
といった、惜しむ声が綴られている。