ダウンタウンの松本人志さんが、満を持して挑んだコント番組が大コケした。かなり気合いを入れて作られた番組であるにも関わらず、数字的には惨敗で、松本人志「オワコン」説も出る始末だ。
2011年11月5日、NHKで松本さん出演・演出のコント番組「松本人志のコントMHK」が放送された。
「オモシロさがわからなかった」「ガキの使いで十分」
ここ最近は映画監督としての活動が目立っていた松本さんが、全5回に渡ってオリジナルコントを披露するという、かなり気合いの入った番組で、NHKも放送前から積極的にPRしてきた。
松本さん以外にも、第1回は相方の浜田雅功さんや、友近さん、ジローラモさんら著名芸能人が出演。影絵芝居の作品もあるなど、かなり実験的な部分もあり、まさに「天才」松本人志が自分のやりたいようにやりました、という内容だった。
しかし、蓋を開けてみると視聴率2.3%(関東地区 ビデオリサーチ調べ)。夜11時半からの深夜帯とはいえ、かなり残念な数字だ。
ネットでの反応を見ても、「繰り返し見て、何度も大笑いした」という感想が一部にある一方で、
「正直笑えなかったので、チャンネル変えた」「難しいっていうのか、簡単にオモシロさがわからなかった」「もうダウンタウンのコントはガキの使いの理不尽シリーズだけで十分」「つかみ所なさすぎてシュールで済む話じゃねえ」
といった冷めたものが多い。「松本はオワコン(終わったコンテンツ)」といったものまである。
30代の「松本信者」以外には受けない?
実はMHKは2010年10月にパイロット版が放送されていて、そのときも視聴率6.2%(同)とかなり低い数字だった。「大日本人」「しんぼる」など、映画作品は大コケしてしまったが、コントの作り手としての松本人志は依然高い人気、ということではなかったのか。
芸能評論家の肥留間正明さんは「これが本当の数字ですよ」と語る。現在、松本さんはお笑い芸人が多数所属する吉本興業のシンボル的な存在となっている。しかし、実際に松本さんを支持しているのは90年代に大人気だったバラエティ番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」(フジテレビ)などをリアルタイムで見て育った30代だけで、それ以外の世代からはそれほど人気はないという。確かに、ツイッター上でも「私は20代でナイナイで育った世代だからダウンタウンはよく分からない」という呟きがあった。
「中高生が松本を好きっていうのは聞いたことがない。周りが彼を持ち上げ過ぎているのもいけない。これが実態でしょうね」
と、肥留間さんは話している。
「MHK」は月1回の全5回放送。次回は12月3日の放送だが、果たして視聴率は持ち直すか。