東証マザーズの上場企業に、最年少社長がまもなく誕生する。2011年12月7日に上場を予定する、アルバイト求人情報サイトの「ジョブセンス」などを運営する「リブセンス」の村上太一社長がその人。10月27日に誕生日を迎えたばかりの25歳だ。
会社の創業は2006年2月で、村上社長が早稲田大学政経学部1年在籍中に学生だけで起業した「学生」ベンチャー企業だった。
創業からわずか5年での上場
東京証券取引所は11年11月1日、「リブセンス」の新規上場の申請を承認した。「学生」のベンチャー企業として創業して、わずか5年での上場だ。「会社とはどういうものか、事業を創るにはどうすればよいのかといった知識さえ持たない状態からのスタート」(村上社長)。大学の「ベンチャー起業家養成基礎講座」のビジネスプランで優勝し、大学のインキュベーション施設のオフィスを1年間無料で手に入れて、会社を立ち上げた。
従業員数は正社員36人とアルバイト17人(9月30日現在)。10年12月期の売上高は6億3700万円、経常利益2億1700万円、当期純利益は1億2300万円だった。ほぼ全株式を役職員が保有し、株主にベンチャーキャピタルなどは入っていない。
同社は、アルバイト求人サイトの「ジョブセンス」と正社員・契約社員の求人を専門とした転職サイト「ジョブセンスLink」、派遣社員の求人を専門とした「ジョブセンス派遣」を事業の中核に、賃貸不動産情報検索サイトの「DOOR賃貸」や中古車情報サイトの「Motors‐net」を運営する。
ネット広告は従来、広告掲載費を収益源としていたが、同社は情報を掲載した企業から雇用契約や不動産契約が完了したときに「成約料」を受け取る「成果報酬システム」を取り入れたほか、契約成立時にリブセンス側から求職者に対しても「祝い金」をキャッシュバックするというユニークなビジネスモデルが注目を浴びて、急成長を遂げた。
村上社長のアルバイト探しの「経験」を事業化
アルバイト求人サイトの「ジョブセンス」は、村上社長自身が高校時代のアルバイト探しで実感した不便さを解消しようと考案したのがきっかけ。事業化後も、ユーザーの要望に対する「応答性を高めたい」というこだわりから、同社では企画やマーケティング、デザイン、システム開発、カスタマーサポートなどのサービス提供にかかわる工程をすべて内製化して運営している。
経営理念は、「文化となるWebサービス」。それを生み出し続ける集団が目標という。
ツイッターを通じて、多くの祝福の言葉が寄せられていて、
「マザーズ上場承認。びっくりしました。おめでとうございます!」
「きっと数年後かに『あれがきっかけでさらに頑張りました』って人も多いだろうね。楽しみ!みんなで時代をつくらなきゃ!」
「村上社長は最年少上場記録ですか。25歳、素晴らしいですね。もっと新興市場が盛り上がって欲しいですね。」
といった具合。
村上社長は「お祝いのお言葉、誠にありがとうございます。これからが大切ですので、気を引き締めて臨んでいきます」と応えている。
ちなみに、これまでの「最年少記録」は26歳だった。