世界各地で長年、その存在が議論されている「雪男」について2011年10月、国際会議と大規模な捜索が実施された。ロシア・シベリア地方の町に研究者が集まり、雪男が目撃されたという場所で実地調査を行った。
国際会議では「雪男が存在する確率は95%」と発表。ロシアには大学内に専門の研究機関が設置されるなど、いたってまじめに研究に取り組んでいる。
シベリア南西部で3日間にわたり「国際会議」
雪男は国や地域によって「イエティ」「ビッグフット」と呼び名は変わるが、そのイメージはおおよそ、全身毛むくじゃらで、2本足で歩く類人猿のような姿だ。日本でも「謎の生物」といった扱いで、しばしば話題に上る。
しかし中には、雪男は決して想像上の生き物ではなく実在するものとして調査・研究に励む人も少なくない。その1人がロシアの国際人類学センター、イゴール・ブルツェフ所長だ。
1965年から雪男の研究に携わり、ロシア国内だけでなくモンゴル、米国にまで雪男の影を追って何年にもわたり探索に赴いている。そのブルツェフ所長を含めた各国の研究者が2010年10月初旬、シベリア南西部のケメロボ州で3日間にわたる「国際会議」に参加したのだ。
会議のハイライトは「現地調査」だ。国際人類学センターによると、開催地に選ばれたケメロボ州周辺には、雪男がおよそ30「人」生息しており、その数は近年3倍に膨れ上がっているという。調査にはロシアや米国、スウェーデンなどから集まった研究者だけでなく、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)をはじめメディアも加わった大々的なものだったようだ。
一行は大型のトラックに乗って原野を越え、山林に入る。数週間前に雪男の足あとが見つかったという洞窟にたどり着くと、各国の学者が懐中電灯を片手に内部を探索。すると、新たな足あとが残されていたという。しかしそれは右足だけで、しかも1つしかなく、やや不自然にも見える。WSJも「あまりにもすぐに発見できた」とやや皮肉交じりに伝えた。