米国第3位のハンバーガー・チェーン「ウェンディーズ」が2011年12月初旬に、表参道に復活する。
09年12月に、牛丼チェーンの「すき家」を展開するゼンショーがフランチャイズ契約を更新しないことを決め、惜しまれながらも撤退を余儀なくされた「ウェンディーズ」だが、待望の復活を喜ぶ人は少なくない。
四角いビーフパテにチリビーンズが人気
ウェンディーズの人気は、食べ応えのあるジューシーなハンバーガーに、ポテトにたっぷりのチリビーンズとチーズがかかったチリポテトなどのサイドメニューにある。
四角いビーフパテは他のハンバーガー・チェーンにはないウェンディーズのオリジナル。解体から流通までを一切冷凍しない独自の製法で、1枚1枚焼き上げていて、つくり置きをせずに店内でカットした新鮮な野菜とともに仕上げ、「おいしさ」にこだわる。
再上陸にあたって、米ウェンディーズと資本業務提携を結んだヒガ・インダストリーズのアーネスト・エム・比嘉会長はこれまでのメニューに加えて、「新たなメニューとしてプレミアム・サンドイッチやグルメ・トッピングを加えたハンバーガーなどを提供したい」とコメントしている。
米国で2011年9月下旬に発売された新作の「プロジェクト・ゴールド・ハンバーガー」をメニューに用意するとの情報もあり、そのバンズは温かくサクサクしているそうだ。
ネットではウェンディーズの「復活」を心待ちにしていたファンから、
「麻布十番、復活してくれ」
「早く関西も」
と出店を待ち望む声や、
「チリビーンズ!!チーズや生オニオンをトッピングしたあの味が忘れられません」
「本場のにくにくしたボリュームあるやつたのむわ」
と味にこだわる声が聞かれる。
09年12月の撤退間際には「駆け込み客」が殺到。主力の「ウェンディーズバーガー」や「チリビーンズ」といった人気メニューが売り切れる騒ぎになった。
「殴られても蹴られても立ち上がって日本にやってくるウェンディーズ。随分いじらしいじゃねえか」
といった応援メッセージもある。
すでに、新生ウェンディーズの魅力を日本全国に伝える広報アイドルも募集中(10月24日まで)で、2011年11月にはオーディションを開催し、選ばれた人は「ウェンディーちゃん」として約2か月間、広報やPR活動にあたることになっている。
「大人」のハンバーガーに期待
外食大手のゼンショーとの事業戦略などの食い違いが原因で、09年12月に撤退した米ウェンディーズだが、日本の市場規模の大きさと、ブランドのネームバリューが定着していることなどから、その後も再進出の機会をうかがっていた。
日本のハンバーガー市場は、マクドナルドが「安売り」で先行するなかで、価格は少々割高だが「おいしさ」を求める「大人」のハンバーガー店が健闘している。
一時撤退し、企業再生のリヴァンプの支援を受けて復活を遂げた「バーガーキング」や、「モスバーガー」や「フレッシュネスバーガー」などのハンバーガー店がそれ。そんな「大人」のハンバーガー好きの期待が、ウェンディーズにも集まりそうだ。