中国で高まる「嫌韓」 理由は「歴史のパクリ」

アジア大会のアピールが尾を引く

   呂氏によると、80年代後半から90年代にかけて、中国人は韓国人に対して好印象を持っていたものの、「一部の韓国人が、中国人を尊重しない出来事が続いた」という。その中でも象徴的なのが、07年冬に中国・長春で開かれたアジア大会での出来事。韓国の女子ショートトラックの選手団が、「白頭山(ペクドゥサン)はわが領土」と書かれたカードを持って授賞式に臨んだことだ。

   白頭山は中国と北朝鮮の国境地帯にある火山で、中国側が白頭山周辺で行っている経済開発について、韓国では「地域全体を中国領だと主張するための動きだ」と懸念する声が根強い。このため、韓国選手のパフォーマンスは韓国では大きな称賛を浴びたもの、中国側は韓国に猛抗議したという経緯がある。

   また、08年には、韓国紙が「孫文は韓国人」などと報じ、中国マスコミが大反発。韓国大使が「報道はデマ」などと火消しに追われたこともある。

   数年前に起こった事件が、いまだに中国人の対韓感情に影を落としている形だ。

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