鳩山氏「私は信じたい」
同じ6月2日の記者会見では、菅首相は「一定のめど」について、年越しの可能性もある福島第1原発の「冷温停止」だと発言した。「来年まで続けるつもりか」と批判を浴びた菅首相は6月28日の会見で、今回話題となっている「退陣3条件」を示した。「この三つをもって、この一定のメドと考えるということを申し上げた」と述べている。
一方、菅首相は7月13日の会見で、「脱原発依存」の方針を打ち上げた。8月の週刊朝日最新号(8月19日号)での単独インタビューでは、「いつ辞任するのか」との質問に対し、「どうにか原子力行政の抜本改革の道筋はつけたい」と答えている。
菅首相が「責任を持つ」としている自身の発言が、もし後者の「脱原発依存」の話の方を指す場合、8月中の達成はとても無理そうで、9月以降も首相を続ける理由ともなりかねない。
小沢一郎・元代表は7月27日、若手議員らとの懇談の場で、退陣3条件が満たされても菅首相は辞めないだろう、との見立てを披露していた。8月9日には、小沢氏と鳩山氏が会談し、小沢氏は「(菅首相は本当に)辞めるのか?」と疑念を示した。鳩山氏は「私は信じたい」と応じたという。
永田町では、米国の国債格下げに端を発した世界同時株安という「経済危機」への対処を理由に、首相交代による「政治空白」をつくらない、という名目での居座りを警戒する声もある。
小沢氏が「僕の常識では理解できない」と嘆く菅首相が、密かに「平成の死んだふり解散」を考えている可能性もゼロではないかもしれない。