中国が新幹線の特許申請 米国受注で優位に立つ狙い

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   北京-上海間1318キロを最高時速300キロ、最短4時間48分で結ぶ高速鉄道(中国版新幹線)が2011年6月末開業した。2200億元(約2兆7500億円)と、中国の公共事業で過去最大規模の投資だけに、温家宝首相が一番列車に乗り込み中国中央テレビも式典を生中継するなど、共産党結成90周年に合わせ、祝賀ムードを盛り上げ、国威発揚に一役買った。

   ところが、日本などの技術協力で車両製造を始めたはずなのに、製造技術の特許を5カ国・地域で一括出願したことがあきらかになり、国際的な特許紛争に発展する気配が漂う。

「技術を取り入れ、消化吸収し、革新させた」と主張

   問題の車両は新幹線の主力車両「CRH380A」。現地からの報道などによると、中国社が出願したのは日、米、EU(欧州)、ロシア、ブラジル。複数国での特許出願が同時にできる特許協力条約(PCT)に基づき、台車や車体の外板などに関する21件の特許を出願。うち8件は中国国内で予備審査を通過したという。最終的に特許を付与するかは各国が判断する。

   中国鉄道省の技術責任者は試乗会で日本の記者たちに、「CRH380Aは『中国南車』が研究開発、製造した車両」と説明。「この型の車両を米ゼネラル・エレクトリック(GE)と合資生産する契約を締結した。具体的には次の協議で詰める」とまで語ったという。

   これに、日本の関係者は困惑し、苦渋の表情を浮かべている。

   「CRH380A」は川崎重工業など日本企業が開発したJR東北新幹線の車両「はやて」の技術供与を受け、それを改造した。中国側は「技術を取り入れ、消化吸収し、革新させた」(鉄道省)という。技術供与に関する日中の協定は「供与した技術は中国国内での使用に限る」となっているというが、「中国独自の技術」なら、むろん、国外で使用可能。輸出も出来ることになる。

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