男の子のような女の子? 思わずドキドキする「BOI」写真集に反響

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   「男の子のような女の子」たちにスポットを当てた写真&インタビュー集『TOKYO BOIS!』が話題になっている。同書は2011年6月8日の発売後、アマゾンの写真集ランキングで1位を獲得。その後も売り上げを伸ばしている。

   「BOI」とは、もともと、ボーイッシュなレズビアンやFtM(Female to Maleの略で性自認が男性で体が女性)などを総称した言葉だ。男の子を意味する「BOY」の「Y」を「I」に変えた遊び心のある言葉として、10年ほど前からアメリカで使われるようになったという。

「Lの世界」「ラスト・フレンズ」が導火線

「TOKYO BOIS!」表紙
「TOKYO BOIS!」表紙

   日本では、「BOI」という言葉自体はまだ普及していないものの、映画やテレビで「BOI」たちの存在は少しずつ注目され始めている。レズビアンやバイセクシャルの女性たちの群像劇を描いた米ドラマ「Lの世界」は「あんなにかっこいい女性がいるなんて・・・」と日本でも人気になった。出演していたキャサリン・メーニッヒが2008年に来日した時は成田空港に1000人のファンが詰めかけた。また、フジテレビ系ドラマ「ラスト・フレンズ(2008年放送)」では、上野樹里さん演じるセクシャルマイノリティーの「瑠可」に対して、ネット上で「かっこいい!」「服を真似したい!」などという声が多く挙がっていた。

   『TOKYO  BOIS!』には、160ページ以上に渡ってボーイッシュなレスビアン、FtMのモデル、カップルなどの写真とインタビューが収録されている。写真はフォトグラファーの戸崎美和さん、エディターはレズビアン・カルチャーの話題などを幅広く取り上げているWebマガジン「Tokyo Wrestling」編集長のカイザー雪さん。

   同書を出版した飛鳥新社の女性担当者は、BOIたちには「自由な人たちが多い」と語る。「女の子らしく、男の子らしく、ということに全くとらわれず、自分が自分らしくいられるあり方を、あくまで自然に追求しているところ」が魅力だといい、外見も中性的で少年のようなイメージの人が多く「ストレート(異性愛者)の自分から見ても正直ドキドキしてしまうほどカッコいい」と話す。

「世界が広がった」「もっと定着して皆が自由に」

   同書が一般の書店に並び、さらにはファッションサイトでも取り上げられたことで、多くの人の目に止まった。編集部には「世界が広がった」「自分も自信を持って「BOI」として生きていこうと思った」などの反響が届いていて、出版社としてはある意味「冒険」の企画だったが、「出して良かった」と改めて感じているという。ツイッターでも、「こういうのもっと出して欲しい!!!」という声のほか、「ジェンダーフリーな世の中、イイネ!」など、性別を超えて自己表現することに肯定的な意見が多く見られた。

   カイザー雪さんは、「日本では『BOI』を含むセクシャルマイノリティーの文化は一般的にはほとんど浸透していない。この本によって、多くの人に受け入れられるきっかけになれば」と話している。

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