トヨタ自動車が2011年末に発売するコンパクトカークラスのハイブリッド車(HV)プリウスC(仮称、商品名未定)は、本家プリウスを凌ぐ売れ行きになるとトヨタディーラーは予測している。
原発を含む震災影響、消費税増税、政治の混迷など先行きへの不安が払拭されないなかで、新車市場ではより小さい車を求める「ダウンサイジング」が進行。
1リットル当たり44キロ?驚異的な燃費
ガソリン代への支出を抑えられる燃費性能も求められており、1リットル当たり44キロ(10・15モード)とも言われるプリウスCの注目が一気に高まるのは間違いない。
ディーラー関係者は早くも、注文に対して生産が追いつかない供給不足を心配している。
プリウスCは1.5リットルエンジン+2モーターのハイブリッドシステムを搭載すると見られ、燃費は1.3リットルエンジン+1モーターのフィットハイブリッドの1リットル当たり30キロを大きく引き離す。その性能差は、ホンダ関係者も「フィットハイブリッドはトヨタの小さいHVが出るまでに売りまくることが大事」と話すほどはっきりしている。
しかも、トヨタにはトヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツと4チャンネル4800店もの圧倒的な販売ネットワークがある。昔から自動車販売の世界では「トヨタの敵はトヨタ」と言われてきた。日産や三菱、ホンダ、マツダと戦う以前に、地域のトヨタディーラーとの競争のほうがよほどシビアであり重要という意味だ。そのトヨタディーラー全店が取り扱うことで、プリウスCの販売は一層膨れ上がると見られているのだ。