子どもたちが編集、避難所に張り出して大きな反響を呼んだ気仙沼の「ファイト新聞」が、50号を最後に休刊した。避難所暮らしの人が減り、子どもたちも再開した学校活動が忙しくなったためだ。
最終号の編集人は小中学生を中心に高校生を加えた12人。宮城県気仙沼市の気仙沼小に避難した仲間たちだ。7月3日、小学校体育館の壁に張り出された。いつもより大きな模造紙を使った紙面に「今までファイト新聞を読んでくれてありがとう」と大見出しが躍った。
ファイト新聞の創刊は震災1週間後の3月18日。小中学生5人が、B4判の紙に「やっとお風呂に入れた」などと、その日の出来事や届いた救援物資を知らせる記事を書いて、避難住民の心を和ませたのが始まり。以後、数日に一回のペースで刊行されてきた。この活動がニュースで紹介されると、全国から文房具や模造紙など編集グッズの支援が届いた。
河北新報によると、4コマ漫画を担当した気仙沼中1年の西村祐美さん(12)は「こんなに喜ばれるとは思わず、うれしかった」。同中2年の桜井果歩さん(13)も「『面白いよ、いつも見てて楽しいよ』と言われるのが励みになった」と振り返った。
近く「ファイト新聞」が一冊の本になる。45号までの紙面と子どもたちへのインタビュー。「宮城県気仙沼発! ファイト新聞」と題して、河出書房新社から出版される。税込み1300円。