被災証明書を全住民に交付する自治体が出ていることを受け、青森県は6月23日、県道の「みちのく有料道路」(青森市―七戸町)と「青森空港有料道路」(青森市、被災証明書を使った無料通行を認めないことを決めた。27日から実施する。罹災証明書、罹災届出証明書での無料通行は継続する。
東日本大震災の被災地支援を目的に20日から高速道路無料化が始まると、事実上、全戸に被災証明を発行する自治体が続出している。こうした動きは岩手、宮城、福島の3県沿岸自治体に限らず、読売新聞によると、茨城県内でも38市町村が全住民を対象に証明書を発行する考えだ。被災証明は一人で複数の発行を受けられるため、ずさんな管理につながりやすく、ヤフーオークションに出品されるケースも出ている。
青森県の対応は、こうした問題に一石を投じた格好だ。「本来は家屋が損壊するなどした被災者の生活再建を支援するための事業。停電被害だけで証明書を発行する自治体が増えれば、市町村間の不公平感が広がり、県の費用負担も過大になる」としている。
罹災証明書は、家屋の被災状況を確認するなど厳格に運用されているが、被災証明書の発行は自治体独自の判断に委ねられていて、停電や断水を理由に発行が膨れ上がっている。