実際に起こった事件を題材にしてゲーム化する、いわゆる「不謹慎ゲーム」がたびたび問題化するなか、電力会社を取り上げたゲームが波紋を広げている。ひたすら社員とおぼしき人物を惨殺するという内容で、批判が出たためか、ゲームが掲載されていたサイトは、現時点では閉鎖されている。
「不謹慎ゲーム」の代表格としては「地下鉄サリンゲーム」が知られているほか、最近では、ブッシュ前大統領に靴を投げつけるゲームが注目を浴びた。
冒頭に社員殺害を正当化するメッセージ
今回問題となっているのは、「ファイナル・ブレイカー(FINAL BREAKER)」と題したゲームで、2011年6月14日頃に公開されたとみられる。「フラッシュ」と呼ばれるソフトウェアで作成し、ブラウザ上で遊ぶことができる。
ゲーム冒頭には、
「―2039年、全国に拡散した放射能の影響で人口の3分の2が死滅した。生き残った人々も白血病と癌を発病しあと数年で滅びる運命にあった。彼らが生き延びる為には電力会社社員とその家族から移植用の臓器を摘出するしかない」
と、電力会社社員を殺害することを正当化するメッセージが表示される。
ゲームの内容自体はきわめて単純で、刃物を持ったプレーヤーが、エレベーターホールや食堂、休憩室など社内のあらゆる場所で、登場する人物を「ネジ込み」「ブッ刺し」「9条ナイフ」といった方法で切りつけるというもの。人物を切りつけると血を流して倒れるが、プレーヤーが攻撃されることはない。