タレントのビートたけしさん(64)が、人生初の携帯電話を持ったと話題になっている。たけしさんは、携帯嫌いを自認するが、使い方にこだわりがあるようなのだ。
携帯電話について、ビートたけしさんは、折に触れては批判していたようだ。
「奴隷だよ」と批判していた
日刊スポーツの2005年10月31日付インタビュー記事では、たけしさんは、「奴隷だよ、これは」と斬って捨てている。
たけしさんによると、携帯を持っている人は、金づるにされているに過ぎない。ネット関係の成金がサービスを手がけ、貧乏人がターゲットになって、一言話すたびに金をむしり取られているだけだという。さらには、嫌がらせメールや振り込め詐欺にも翻弄されているではないかと指摘する。
そういう流れには反発しているとして、たけしさんは、「捨てちゃえば一切ないのに」と冷ややかだったのだ。
ところが、たけしさんは最近、携帯電話を持ったというのだ。
その話が紹介されたのが、日テレ系で2011年6月9日夜に放送されたバラエティ番組「ダウンタウンDX」だ。たけし軍団の一員である浅草キッド・水道橋博士(48)が、たけしさんの携帯から直接電話がかかってくるようになったことを明かした。
最初は、「オレだよ」と繰り返すだけでだれだか分からず、水道橋博士が激怒して初めてたけしさん本人と分かった。たけしさんは最初、iPhoneなどのスマートフォンがはやっていると聞いて、それをほしがった。しかし、結局ITオンチで「使えない」ということで、初心者・高齢者向けの「らくらくホン」(NTTドコモ)になったという。
ビートたけしさんは、人生初の携帯電話に熱中しているらしい。
「冗談の言い合いをしたり、遊ぶんならいい」
バラエティ番組だけに、演出による誇張もあるようだが、水道橋博士によると、1週間に3回もかかってくるそうだ。喜んであっちこっちに電話しているともいい、博士もさすがに迷惑だと漏らしていた。ちなみに、このエピソードは、番組の「スターのぞき見ランキング」で1位に選ばれている。
たけしさんは、あれほど嫌いだった携帯を、なぜ持ったのか。
番組では明らかにされていないが、共同通信の2010年7月21日付インタビュー記事に興味深い告白が出ている。
そこでは、携帯が車の中にあるが電話に出たことがないこと、コンピューターもメールも嫌いであることが語られている。ツイッターを例に、「あれを情報として扱っているバカさ加減はよく分からないね」と皮肉ってもいる。
とはいえ、こうも言っているのだ。
「冗談の言い合いをしたり、遊ぶんならいい」
たけしさんが携帯を持ったのは、こうした理由だったのかもしれない。
もっとも、携帯依存への批判も忘れていない。
情報は、広告代理店などが意図的に流す場合も多いとして、家畜のように動かされるなと警告。そうした情報を探しまくるのではなく、人とのコミュニケーションを大切にせよと説く。「情報って、町を歩いていれば入ってくる」と。果たして、たけしさんが電話するのも、町歩きの感覚なのだろうか。