東日本大震災後、6月13日までに福島県・浜通りの被災地で見つかり警察が拾得物として受理した現金の総額は約10億円に達した。
福島県警が発表した拾得物概況によると、3月11日以降、浜通りの6警察署に届けられた現金や貴金属などは約1万2500件、現金の総額は9億7000万円だった。このうち金庫は約900個で、入っていた現金の合計は5億4800万円にのぼった。
持ち主に無事戻った拾得物は約2000件、現金は6億2000万円だった。中には、国重要無形民俗文化財「相馬野馬追」で使うホラ貝もあったという。拾得物のほとんどは警察や自衛隊の捜索活動で見つかったもの。
民法や遺失物法では、拾得物は警察に届けられてから3か月間公告され、持ち主が現れなければ所有権は拾得者か都道府県に移る。だが、今回は持ち主に不利にならないよう多くは公告していないという。
一方、宮城県警も14日、宮城県内の被災地での拾得物の概況を発表した。現金は計12億9000万円。これは昨年1年間に、県内で届けられた現金の約6倍にあたるという。うち約11億円は持ち主がわかって返還された。
県警は津波の被害に遭った地域に落ちていた現金のほか、金庫やバッグの中の現金も加えて集計した。鍵のない金庫を壊して現金を取り出す作業に追われたという。