原発事故で広まったガイガー・カウンターなどの放射線測定器について、その精度に不安の声も出ている。外国製の安価な測定器も出回っているが、どのくらい使えるのか。
ブログなどでは、放射線量が高い地域では、ガイガー・カウンターが振り切れたといった書き込みもみられる。
「金額よりも国際規格合格かなどが大事」
週刊ポストの2011年6月6日発売号では、福島第1原発の正門前でガイガー・カウンターの針が振り切れたという作業員の話が紹介されていた。記事によると、この作業員は、6万円の中国製を持っていた。
ただ、このレベルの外国製は、気休め程度の性能で、「そんなおもちゃ捨てちまえよ」と業者に笑われたという。原発そばだからかなり線量が高かった可能性もあるが、まともな測定器なら最低30万円はするというのだ。
通販サイトなどをみると、ガイガー・カウンターなどは、5~10万円ほどで売られている外国製が多い。国産は、もともと業務・研究用に販売されていたのが多いこともあるようだ。こうした測定器は、精度が低かったり、すぐに振り切れたりするものなのだろうか。
測定器に詳しい日本保安用品協会の技術主管、田辺富士夫さんは、こう話す。
「測定器は、必ずしも金額ではないと思います。ISOなどの国際規格に合格しているものなら、日常の測定に十分使えます。原発近く以外で針が振り切れたというのは、レンジ調整で感度をよくしたままだったのではないですか。感度を鈍くすれば、まず振り切れることはないと思います」
高価な放射線測定器は大きなものも多く、日本保安用品協会の田辺富士夫さんは、「使いやすさを考えれば、持ち歩ける手のひらサイズがいいでしょう」と言う。定期的に補正する必要のある測定器もあるといい、年に1回ほどはメーカーなどに見てもらうことも勧めている。